発酵×スパイス=最強説
こんにちは!
最近、おいしいネパール料理屋さんにハマっています。
巣鴨にあるプルジャダイニングさんです。
ネパールの家庭料理を思わせる素朴な味つけながら、しっかりと深みがあって満足度はピカイチ。
なぜおいしいか?と考えると、発酵の力によるものではないかと感じます。
発酵とスパイスをかけあわせたメニューは魅惑の世界。
複雑で洗練されたおいしさです。
ところで、インドカレーでは、発酵食品をあまりみかけません。
今日は、ネパールの発酵×スパイス料理をご紹介しつつ、インドとの違いについても考えてみましょう。
発酵×スパイスは魅惑の世界
プルジャダイニングさんでは、「グンドゥルック・コ・ジョル」という発酵スパイスカレーをふくむセットをいただきました。(写真の中央上・左がグンドゥルック)
「グンドゥルック…(略)」は、発酵した野菜を使った酸味のあるカレーで、なんとも味わい深いスープです。
乾燥や発酵などの時間を経た野菜たちは旨味にあふれ…
スパイスが絶妙なバランスで調和しています。
地味に見えるかもしれませんが、カレー以外のおかずも多くが発酵×スパイスもの。
つまり、スパイスの「お漬物」です。
使っている野菜はさまざまで…
大根葉のような菜っ葉もあれば、里芋のお漬物もありました。
里芋のスパイス漬物…どんなお味か気にならないでしょうか?
自家農園で自然栽培された季節の野菜たちが、スパイスと一緒に「お漬物」になっているようです。
インドとネパール、発酵食品はどんな感じ?
発酵×スパイスづくしのネパール料理と比較し…
インド料理で発酵食品をあまりみかけません。
ピクルス的なものなど、どちらかというと、脇役的な感じでしょうか。
「グンドゥルック」のように、発酵した野菜が主役のカレーに出会ったことがないです。
実はインドの伝承医学「アーユルヴェーダ」では、新鮮なものを食べるよう勧められます。
例外はあるものの、基本的に発酵食品など保存食は健康にいいとは考えられていません。
アーユルヴェーダは伝承医学でありつつ、インドの文化に深く根づいているせいか…
インドでは「作り置き」や「保存食」が一般的ではない印象があります。
一方でネパール料理は、さまざまな野菜を発酵させてスパイスと和えたお漬物「アチャール」が定番。
ご飯のお供にかかせない感じでしょうか。
インドとネパール、食料事情の違い
さて、プルジャダイニングのおかみさんに、ネパールでの発酵食品事情についてお尋ねしたところ…
おかみさんの故郷はネパールの山奥の小さな村だそうで、
冷蔵庫がないことから、発酵食品などの保存食はかかせないとおっしゃっていました。
インドでも冷蔵庫がない時代はあったでしょうから…
おそらく、「食料事情」がインドとネパールで大きく違うのではないかと思います。
常夏の地域が多く、年中さまざまな野菜や果物がとれるインドとはことなり、
ネパールでは収穫できる時期がかぎられるのではないでしょうか。
常にフレッシュなものが食べられるインドに対し、
ネパールでは保存食が発達する必然性があるように感じました。
※インドもネパールも地域差が大きいので、一般論としてお聞き流しください。
番外編:里芋の「ディド」
先日、いただいたメニューは季節限定のピダルセット。
里芋が主役のカレーセットです。
ところで、写真の手前に見える茶色っぽい塊は何だと思われるでしょうか?
正解は、蕎麦粉と里芋でつくられた「ディド」です。
「ディド」は、こちらでご紹介したように、ラギ粉など雑穀の粉を練りあげた食べ物。
主食としてカレーにつけて、いただきます。
ラギ粉の「ディド」と蕎麦粉&里芋の「ディド」をくらべると、色味が全然ちがいますね。
ラギ粉の「ディド」は、単体で食べるとあっさりして物足りない感がありますが…
今回の蕎麦粉と里芋の「ディド」は、蕎麦の香りと素朴な旨みがあって、そのまま食べてもおいしかったです。
というわけで、今回は「ディド」のご紹介をはさみつつ、発酵×スパイス=最強?!というお話でした。
ネパールのスパイス漬物、機会があればぜひお試しください。