南国の「グルテンフリー朝食」に学ぶ

グルテンフリー朝食

こんにちは!
朝から暑い日もふえてきました。

みなさん、「朝ごはん」は何を召しあがっているでしょうか。
暑くなってくると、ずっしりとお腹にたまる「重い朝食」は敬遠しがちですね。

たとえば、「白いご飯」。
朝から白いご飯を食べるのはキツイ…と感じる方もいらっしゃるかもしれません。

そんなときは、暑い暑い南国の知恵をとりいれてはいかがでしょうか。

わたしは今春、南インドや南ベトナムなど暑い地域を旅してきましたが、
朝食がほぼ「グルテンフリー」であることに気づきました。

最近はやりの「グルテンフリー」にのっかっているわけではなく…
昔からの伝統的な朝食が、自然と「グルテンフリー」なのです。

暑い国でグルテンフリーの朝食…なんだか意味がありそうですよね。

今日は、これからやってくる本格的な夏にそなえて…
南国のグルテンフリー朝食をご紹介しましょう。

南インドの朝ごはん、定番といえば?

南インドでは、「お米」を原料にした朝食のレパートリーがたくさんあります。

お米と豆をスパイスと一緒に発酵した生地でつくる「イドゥリ」と「ドーサ」は定番でしょうか。

蒸しパンのような「イドゥリ」(写真左)
クレープのような「ドーサ」(写真右)

いずれも、ココナッツのチャツネ(ソース)やサンバル(カレー)と一緒にいただきます。

そして、「ドーサ」と同じクレープ状の形でありながら、より軽くふわっとした食感の「アッパム」をご存じでしょうか。
お米を水にひたしてブレンダーでなめらかにし、イーストなどを加えて発酵した生地でつくられています。

軽い食感の「アッパム」

「イドゥリ」「ドーサ」「アッパム」は発酵しているせいか、特に消化が軽く、アーユルヴェーダのトリートメント前によく食べた朝食メニューでした。

一方で、発酵をせずに「米粉と水だけ」でつくるシンプルな朝食もあります。
以下、3つご紹介しましょう。

1.お団子のような「コルカタ」

お団子「コルカタ」

日本では「お団子」は甘くして食べますが…
インド朝食では、スパイスやココナッツをふりかけていただくことが多いそうです。

甘くない「お団子」も、なかなかおいしいですし、しっかりお腹にたまります。

2.「そうめん」のような「イディアポ」

そうめん「イディアポ」

「イディアポ」は、まるで日本の「そうめん」を一口サイズに盛りつけたかのようなメニューです。

1つめの「お団子」と同様の米粉の生地ですが、「そうめん」のように細くして束ねると、
食感が軽くて、つい食べすぎてしまう印象でした。

同じ原材料でも、形が変わると別物になるのだと驚かされます。

3.お煎餅のような「ロティ」

お煎餅「ロティ」
ロティは、うすく焼くことも多い

ロティは、「コルカタ」や「イディアポ」と同じように「米と水」だけの生地で、油をほとんど使わずに焼いたもの。
素材がもつ素朴なおいしさが楽しめて、シンプルながら大好きなメニューでした。

さらに、お米と水のほか、すりおろしたココナッツを加えて蒸した「プトゥ」も朝食の定番メニューです。

蒸しケーキ「プトゥ」

「プトゥ」はココナッツが大量にふくまれる一方、水分が少なめなので、ホロホロとくずれ落ちる感じです。

というわけで、「お米」を主原料にこれだけのレパートリーがあるなんて、南インドおそるべし!と思われないでしょうか。

こちらでご紹介したメニューは、デザートのように見えるかもしれませんが…
すべて砂糖などの甘味が入っていない「食事用」のメニューで、少し塩分がふくまれます。

甘くない「ベビーカステラ」

南ベトナムの朝ごはん、定番といえば?

一方で、ベトナムの南の都市ホーチミンでは、お米の麺が朝食の定番でした。

どこの定食屋に入っても、「フォー」や「ブン」など米粉の麺を食べられましたね。
「フォー」は「きしめん」のような平たい麺で、「ブン」はより丸っぽかったり縮れていたりする麺です。

野菜たっぷりで中が見えない麺
野菜の下に麺がうまっている

写真の左下にある白っぽくて丸いものは、米粉でできたお団子。
米粉の麺に米粉のお団子…!という米づくしの朝食でした。

そして、「ビーフン」や「春雨」のような麺もあり、バリエーションは豊富。
わざわざ「グルテンフリー麺」を探し求める必要はありません。

さらに、ベトナムといえば、ライスペーパーでつくる「生春巻き」も有名です。

生春巻き

「お米」を原材料にした料理がたくさんあるので、白いご飯を食べなくても炭水化物を摂取できます。

南国でグルテンフリーが愛される理由

五穀

というわけで、南インドでも南ベトナムでも、グルテンフリーの朝食がありふれているという話でした。

なぜ、南国ではグルテンフリーの食事が多いのかと考えると…
稲作に適した気候で、米がよくとれるのが1つの理由だと思います。

インドでは、小麦栽培は北部の方が有名で、南部は稲作がさかん。
お米を使った料理が多いのは、当然といえば当然でしょう。

一方で、お米をそのまま炊いて食べるのではなく、すりつぶして発酵させたりするのは…
食欲が落ちる暑い気候にあわせて、消化を軽くするための知恵といえるでしょうか。

今でこそ、ブレンダーなどボタン1つで材料をすりつぶせるマシンがありますが、
昔は大きな石を使って、水にひたしたお米をすりつぶしていたと聞きました。

石のすりこぎ

こんな重そうな石ですりつぶすなんて…とんでもない労力です。

お米をそのまま炊くのではなく、蒸しパンがいい!クレープがいい!
という昔の人の欲望が感じられないでしょうか(笑)。

日本でもこれからの暑い夏には、米粉の麺や蒸しパン・生春巻きなど
朝から軽く食べられるものをとりいれるといいかもしれません。

最近は、米粉の麺やドーサの生地などもネットで手に入りますし、
東京では、上記でご紹介したメニューをとりあつかうレストランもあります。

南国の知恵をとりいれて、夏でもおいしく朝ごはんを楽しみましょう。

だって、最近の日本の夏は「南国」そのものですから。

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