スパイスの相乗効果
こんにちは!
先日のワークショップでは、5つのスパイスを効能とともにご紹介しました。
スパイスにはそれぞれ効能があり、不調にあわせて「薬」のようにとりいれられます。
一方、スパイスを組みあわせると相乗効果を発揮するのをご存じでしょうか。
たとえば、似た効能をもつスパイスAとBを組みあわせると…
AとBをそれぞれ単体でとりいれた時の数倍から数十倍の効果になったりするのです。
気のあう仲間たちと「チーム」で働くと、各人が実力以上の力を発揮できるのと同じ仕組みかもしれませんね。
インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」の薬は、薬草やスパイスを組みあわせて相乗効果を発揮するものがたくさんあります。
今日はそんなアーユルヴェーダの世界から、8つのスパイスを組みあわせた薬「ヒング アシュタカ チュルナ」をご紹介しましょう。
「ヒング アシュタカ チュルナ」とは?
「ヒング アシュタカ チュルナ」とは、アーユルヴェーダの古典的な薬です。
- 「ヒング」とは、スパイスの名前
- 「アシュタ」は「8つ」
- 「チュルナ」は「粉」を意味します。
つまり、「ヒング」をはじめとした8つの材料をミックスした粉末状の薬ということですね。
8つの材料は、「クミン」や「しょうが」「ヒング」などスパイスが中心です。
どの材料も、ふつうの料理に使われる自然な原料なので、きわめて「安全な薬」といえるでしょう。
「ヒング アシュタカ チュルナ」の効能
「ヒング アシュタカ チュルナ」は、強力な「消化剤」として知られます。
8つの原材料は、いずれも「胃腸」に効果があるスパイスが中心ですが、
組みあわさることで相乗効果を発揮するのです。
- 胃もたれ
- 消化不良
- 食欲がない
- 便秘
- お腹のガス
- 膨満感
…など、胃腸のトラブルに効果があります。
季節の変わり目で「なんとなく、胃腸が元気じゃない」と感じるときにもいいですし、
胃腸のトラブルがおこりがちな「旅行中」にも活躍してくれます。
小袋にいれて持ち歩くと、重宝することまちがいなしです。
そして、胃腸まわりのトラブルだけでなく…
- リウマチなど関節疾患
- 生理痛を和らげる
といった効果もあり、胃潰瘍のサイズを縮小するという研究結果もあるのだとか。
(くわしくは、こちらから)
「ヒング アシュタカ チュルナ」のお味は?!
先日のワークショップでは、わたしが調合した「ヒング アシュタカ チュルナ」を味見していただきました。
「おいしい!」というよりは、渋い顔をされた方が多かったでしょうか。
「塩からい…」という冷静なご感想も。
8つの原材料のなかの1つは「岩塩」なので、塩味がしっかりついているのです。
…とはいえ、最初は「微妙~」と思われても、
慣れると、おいしく感じたりするのがスパイスの世界。
「ヒング アシュタカ チュルナ」は、料理に混ぜていただいてもOKです。
カレーなどスパイス料理に入れるだけでなく、ふだんの煮物やサラダ、チャーハンなどに加えていただいてもいいですね。
ちょっと「カレーっぽい味つけ」にはなりますが、
お腹からポカポカとあたたまるのを感じていただけると思います。
アーユルヴェーダ製品で有名なブランド「パタンジャリ」からも発売されているようです。
インドでの価格は100gで130ルピー(230円くらい)ですが、日本で同じものを手に入れようとすると860円…!
空輸代ということになりますね~(遠い目)。
ご自宅に「ミル」がある方は、自作されてもいいでしょう。
「ちょっと試してみたい」方は、お声がけください。
アーユルヴェーダの薬で、スパイスの相乗効果を感じていただければ幸いです。