病気のアーユルヴェーダ的な解釈
こんにちは!今日は「病気をヨガと食事で癒す」kindle本企画から、アーユルヴェーダ的な病気の原因を考えたいと思います。
インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」では、「風邪」から「癌」にいたるまで、すべての病気を体内のエネルギーのバランスから考えます。
エネルギーは、「風・火・水」の3つ。
体のなかで風・火・水のエネルギーのバランスがとれていないから不調や病気になると考えるのです。
ちょっとした体調不良であれ、大きな病気であれ…
症状を見れば、どのエネルギーのバランスがとれていないか、見当がつく仕組みです。
ところで、わたしが患っている甲状腺の病気「バセドウ病」の場合は、どんなエネルギーのバランスがとれていないのでしょうか?
今日は「バセドウ病」を例に、病気についてアーユルヴェーダ的な解釈を考えてみましょう。
バセドウ病のアーユルヴェーダ的な解釈
「バセドウ病」は、甲状腺の機能が亢進しすぎる病気で、以下のような症状をともなうことが多いとされます。
- 汗をかきやすい
- 食欲が増える
- 体重が減る
- 動悸がする
- 脈がはやくなる
- 下痢しやすい
- イライラする
- 落ちつきがない
- 眼球が突出する
アーユルヴェーダ的な観点では、火(ピッタ)と風(ヴァータ)のエネルギーが増えたときにおこる症状が目立ちます。
つまり、生まれたときの「風・火・水」3つのエネルギーのバランスを超えて、
火と風のエネルギーが増えすぎた状態です。
強い「風」にあおられて、「火」がメラメラと燃えている感じでしょうか。
わたしのイメージ的には「山火事」です。
体内で火のエネルギーが強くなりすぎて、収拾がつかなくなっているのを想像します。
山火事の原因は?
ところで、なぜ火(ピッタ)と風(ヴァータ)のエネルギーが増えて「山火事」のようになっているのでしょうか?
実は、生まれつきの体質により、火や風のエネルギーが増えやすいタイプがあります。
もともと、火や風のエネルギーが多い体質の場合…
ちょっとしたことで火や風のエネルギーが増えるので、バセドウ病でないにせよ、体の中が「山火事」状態になりやすいです。
一方、わたしは生まれつき、水と火のエネルギーが強い体質。
水のエネルギーが強いので、風は増えづらく、メラメラと燃える「山火事」にはなりづらいといえます。
しかし、風のエネルギーが増えるような生活習慣をつづけていると…
体内で強い風となり、もともと割合が多い火のエネルギーに加勢して収拾がつかなくなるのです。
つまり、風のエネルギーを増やすような…
- 考えすぎる
- 忙しい
- 不規則
- 睡眠不足
- 動きすぎる
- 冷たいものを飲む、食べる
などの生活習慣が風のエネルギーを乱し、本来のエネルギーバランスを大きく崩してしまったといえるでしょうか。
逆にいうと、風のエネルギーを鎮静させるような生活をつづければ、火と風のエネルギーが原因の病気になりづらいといえます。
「山火事」を鎮火するためには、「風のエネルギーの鎮静」から。
わたしの場合は、せわしなく動きまわらず「のんびりする」必要がありそうです。
弱い部位が病気になる?!
というわけで、アーユルヴェーダ的な解釈では、バセドウ病は火と風のエネルギーが増えすぎている状態です。
しかし、「火と風のエネルギーが増えすぎたら、バゼドウ病になる」とは限りません。
火と風のエネルギーが増大しても、人により、症状が出る臓器や病名はことなるからです。
病気は、体内にたまった毒素が「先天的に弱い場所」または「後天的に弱くした場所」にたまることで発症することが多いとアーユルヴェーダの先生から伺いました。
わたしの場合は、叔母が同じ疾患だったので、遺伝的に甲状腺が弱いといえます。
だから、エネルギーのバランスがくずれて毒素を十分に排出できなくなると、甲状腺に出やすいでしょう。
一方、後天的に弱くした場所としては、「腰」があてはまるかもしれません。
つまり、生まれ持った体質が似かよった人でも…
体の中で弱い部位や弱くした部位はことなるので、病気は千差万別ということになります。
体の仕組みっておもしろいなあと感じさせられないでしょうか。
橋本病のアーユルヴェーダ的な解釈
さて、バセドウ病と「正反対」のような症状をともなう病気として、橋本病という甲状腺の疾患があります。
橋本病は、甲状腺の機能が低下している状態で、以下のような症状が多いとされます。
- 体がだるい
- やる気がでない
- 肌が乾燥する
- 寒がり
- 体がむくむ
- 体重が増える
- 便秘
- 脈がおそくなる
- 毛がぬけやすい
- 忘れっぽくなる
アーユルヴェーダ的な解釈では、水(カパ)のエネルギーが増えたときに起こる症状が多いイメージですが…
アーユルヴェーダの先生に伺ったところ、水のエネルギーだけでなく、最初に風(ヴァータ)のエネルギーの乱れがあるはずだということでした。
結果的に水のエネルギーが増えているにせよ…
ホルモンバランスという神経系を起点とした病気なので、神経と関連の深い風の乱れが先にあるとのこと。
バセドウ病だった人が、治療過程で橋本病になるケースがありますが…
症状は正反対ながら、風(ヴァータ)のエネルギーの増悪という共通項があるからこそ、病名が行ったり来たりする現象がおこるのかもしれません。
バセドウ病の人も橋本病の人も、「風のエネルギーを鎮静させる」生活習慣が大切だと思います。
わたしと一緒に少しスローダウンして…「のんびり」やっていきましょう。