「冬の腰痛」の原因を考える
こんにちは!
先日、アーユルヴェーダの古典書「チャラカ・サンヒター」の勉強をしていると「冬の夜のトンカツは便秘や痛みをまねく」という話が出てきました。
トンカツにかぎらず…「寒い夜」に揚げ物など「油の多いもの」を過剰摂取すると、体のなかのエネルギーを乱してしまい、便秘や痛みをまねく可能性があると古典に記載されているのです。
その話をきいて、わたしは20代の頃、冬になると便秘とギックリ腰に悩まされていたのを思い出しました。
両方とも地味につらいですし、特にギックリ腰は日常生活にも支障をきたすのでやっかいです。
以前のわたしと同じように、冬になると「腰痛」になる方や痛みがひどくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今日は、冬に腰痛になる一般的な原因とヨガ的な観点からの原因をご紹介しつつ、対策を考えたいと思います。
「冬に腰痛になる方」も「腰があやしい感じがする方」も、腰痛について一緒に考えてみませんか?
ぜひお気軽にお読みください。
「冬の腰痛」の一般的な原因
冬の腰痛の一般的な原因は、「寒さ」により…
- 筋肉がかたく縮こまり、神経を圧迫する
- 運動不足により、血行不良になる
などが多いようです。
確かに寒いと筋肉が萎縮するので、ヨガをしても筋肉がゆるむまでに時間がかかります。
筋肉がかたく縮こまることで、筋肉と筋肉の間をとおる神経が圧迫されて痛みにつながるという仕組みも納得できますね。
そして、寒いと「外に出たくない」のはわたしだけではないでしょう。
外に出る機会がへれば運動不足になるし、家のなかで同じ姿勢でいれば血行不良にもなります。
座っている時間が長い人は、腰が丸まり腰痛の一因になることでしょう。
消化のエネルギーと腰痛
ヨガでは、ご紹介したような「寒さ」が起点となる筋肉の萎縮や血行不良を理由とした腰痛以外にも、「消化のエネルギー」の低下による痛みも原因として考えられます。
以前の記事でご紹介したように、痛みには「解剖学な痛み」と「生理学的な痛み」があります。
消化など「体のはたらき」がうまくいっていないときにおこるのが、後者の生理学的な痛みです。
そして、下腹部のあたりを流れる「アパーナ」とよばれる火のエネルギーが下がりすぎると腰痛になることがあるのだとか。
実際、わたしは無理をすると今でもときどき腰痛になりますが、ヨガの師プラブジによると「アパーナ」の問題だと言われています。
この下腹部の「アパーナ」(火)は、胸のあたりを流れる「プラーナ」(空気)とつながることで、よく燃える「消化力」になるそうです。
「アパーナ」のエネルギーが下がりすぎると、「プラーナ」とつながれないので消化力も弱くなります。
消化器のシグナルは背骨につたわり、エネルギーが流れる通り道「ナディ」がブロックされ、痛みにつながる場合があるとのこと。
消化と腰痛は一見関係がなさそうですが、体の内側でつながっているのですね。
だからこそ冒頭でお話しした「寒い夜に揚げ物をたくさん」といった行為は、体のエネルギーを乱して消化力を低下させ、痛みをひきおこしても不思議ではないと感じます。
「冬の腰痛」の対策
冬の腰痛の原因について、一般的な観点とヨガ的な観点から原因をご紹介しました。
「痛み」はさまざまな原因からひきおこされるので、これら以外の原因ももちろんあります。
しかし、今回ご紹介した原因に心当たりがある場合は以下の対策が有効だと思われます。
- 体を冷やさない
- 体をあたためる食べ物を食べる
- 体を動かす機会を意識的につくる
- 同じ姿勢を続けない
- 消化にいいものを食べる
冒頭でご紹介した「寒い夜に揚げ物を食べる」のはNGではありませんが、可能ならば夜ではなくお昼に食べれるといいですね。
消化機能をたかめるヨガの動きもあるので、気になる方はクラスでおたずねください。
以上、今日は「冬の腰痛」とその対策について考えてみました。
腰痛に悩んでいる方のヒントになれば幸いです。