ヨガがすすめる10個のルールとは?
こんにちは!
先日、タイの僧侶プラユキ・ナラテボー師の「新春のお話と瞑想の会」に参加させていただきました。
テーマは仏教の「戒律」。
「戒律は自分をしばるものではなく、守るもの」という趣旨のお話でした。
仏教の戒律といえば「五戒」が有名です。
・不殺生戒:生き物を殺さない
・不偸盗戒:盗まない
・不邪婬戒:よこしまな愛情関係を結ばない
・不妄語戒:嘘をつかない
・不飲酒戒:お酒や麻薬類をとらない
「五戒」とは「5つのやってはいけないこと」を示します。
五戒を守るのが「つらい…」「厳しい…」と感じる人もいらっしゃるかもしれませんが、プラユキ師は「五戒は自分をしばるものではない」とおっしゃいます。
逆にこれらの戒律を守ることで、
・周囲との葛藤や後悔の少ない健康的な生活習慣が得られる
・心の成長の基盤づくりになる
とお話しされていました。
つまり、自分の成長のために戒律=ルールがあるのです。
ところで、「ヨガ」にも仏教の「五戒」と似たルールがあるのをご存じでしょうか。
ヨガの経典「ヨーガスートラ」が推奨するルールは「ヤマ」「ニヤマ」として知られます。
- 「ヤマ」は「やらない方がいいこと」
- 「ニヤマ」は「やった方がいいこと」
で、計10個あります。
今日はこのヨガで推奨される10個のルールをご紹介。
「ヨガを深めたい方」も、「心を成長させたい方」も、お読みいただくとご参考になると思います。
ぜひご一読ください。
ヨガがすすめる5個の「やらない方がいいこと」
ヨガの経典「ヨーガスートラ」は、以下の5つを「やらない方がいい」こととしてあげます。
1.アヒムサ:生き物を殺さない、暴力をふるわない
2.サティヤ:嘘をつかない
3.アステーヤ:盗まない
4.ブランマチャリヤ:よこしまな性的関係を結ばない
5.アパリグラハ:貪らない、貪欲になりすぎない
「ヨーガスートラ」より引用
ちなみに「やらない方がいいこと」と「やった方がいいこと」は、順番が大切だと言われています。
後に出てくる「やった方がいいこと」よりも、先に出てくる「やらない方がいいこと」の方が重要で、
「やらない方がいいこと」の中でも一番最初のアヒムサが特に重要なのだとか。
アヒムサは、物理的な内容だけを意味しません。
言葉の暴力や心に思いえがく内容もふくみます。
ヨガがすすめる5個の「やった方がいいこと」
ヨガの経典「ヨーガスートラ」は、以下の5つを「やった方がいい」と言います。
1.シャウチャ:心身や環境を清潔にする
2.サントーシャ:足るを知る
3.タパス:修練や努力をする
4.スヴァディヤーヤ:聖典の勉強をする、マントラ(真言)をとなえる
5.イーシュヴァラ・プラニダーナ:神を認識する、神に自己をあけわたす
「ヨーガスートラ」より引用
「シャウチャ」の清潔さは体の内側や心もふくみます。
体や心が清浄であれば、その次に続くものもやりやすくなるでしょう。
ちなみに「イーシュヴァラ・プラニダーナ」の「神」とはすべてのものに浸透し、すべてを司る存在のこと。
創造主とも法則ともいえます。
そのような存在を認識し、自己をゆだねるのがイーシュヴァラ・プラニダーナです。
特定の「宗教に入る」という意味ではありません。
ヨガのルール10個の考え方
ヨガがすすめる「やらない方がいいこと」「やった方がいいこと」計10個をご紹介しました。
冒頭でプラユキ師のお話をご紹介したように、これらのルールは「自分をしばるきゅうくつなもの」ではありません。
つまり、
- できなかった自分を責める
- できていない人を批判する
ためのものではないのです。
自分の心をよりよく成長させていくための「お守り」のような存在としてとらえていただければと思います。
だから「できているか、できていないか」とゼロか100かで区分するのではなく、「前よりよくなっている」とグラデーションでとらえていただくとよいでしょう。
そもそも生きていれば「生き物を殺さない」なんてムリな話です。
道を歩けば気づかずに小さな虫をふんでしまう…こともあるでしょう。
しかし、「生き物を殺す」「暴力をふるう」機会を意識的に減らすことならできるはず。
ご興味がある方は、ぜひ少しずつでもとりいれていただくと、人生がよい方向に進んでいくと思います。
2022年の「お守り」にいかがでしょうか。