ヨガは女性に合わない?!
こんにちは!
たまに、「ヨガは女性に合わない」という話を聞くことがあります。
その主張はだいたい共通していて…
- ヨガは男性がはじめたもの
- インドで伝統的にヨガをしてきたのは男性
であり、「ヨガは男性向けにできているから」という内容です。
みなさん、どう思われるでしょうか?
わたしは今でこそ何とも思いませんが、昔は胸がザワつきました。
なぜなら、以前おこなっていたアシュタンガヨガは、「男性っぽい動き」が実に多かったからです。
体の構造的に男性じゃないとできないのでは?と感じる動きに挑戦するたびに、
「これは女性に向いてないかも…」と感じたのでした。
ヨガは男性のためのものなのでしょうか?
今日はヨガが誰に向いているかを考えてみましょう。
「ヨガは男性のもの」という誤解
冒頭でご紹介した…
- ヨガは男性がはじめたもの
- インドで伝統的にヨガをしてきたのは男性
という主張には、一部ですが事実もふくまれます。
たとえば、ヨガのグル(師匠)のグルのグルのグル…
をたどっていくと、最初のグルはシヴァ神だといわれます。
シヴァ神の性別は男性です。
神なので性別にあまり意味はありませんが、男神がヨガの創始者ということになるでしょうか。
そして、ヨガのふるさとであるインドで一昔前は、
修行者が修行の一環としてヨガをしてきたようです。
日本でも、お坊さんと尼さんを比較するとお坊さんの数が圧倒的に多いように、
インドの修行者も男性が多いです。
つまり、男性の修行者が中心になってヨガを鍛錬に用いてきた、というのは事実といえます。
しかし、数は少なくても修行者には女性もふくまれますから「男性だけがヨガをしてきた」わけではありません。
というわけで、背景を読み解いて考えると…
「ヨガは男性のもの」というご意見は誤解といえるのではないでしょうか。
神話にさかのぼると…?
ヨガの最初のグル(師匠)であるシヴァ神は、妻であるパールヴァティ女神にヨガを教えていたところ、
魚の姿をした神様「マツヤ」に覗き見されたという逸話が残っています。
マツヤはシヴァ神のもとで、ヨガを習得したそうです。
もしヨガが男性のためのものだとしたら…
シヴァ神はパールヴァティ女神にヨガを教えないでしょう。
さらに、シヴァ神が男性だけに有効な鍛錬方法を生み出すような「ケチな神様」だとしたら…
現在にいたるまで礼拝されないのではないでしょうか。
神話から考えても、ヨガが男性専用とは考えづらいように思います。
ヨガの効能から考える
ヨガのポーズには、それぞれ効能があります。
腎臓や胃の機能を強化するポーズもあれば、
- 生理のトラブルを軽減する
- 子宮を浄化する
- 卵巣にはたらきかける
など、婦人科系に効果的なポーズがたくさんあります。
以前、子宮のトラブルについてアーユルヴェーダのドクターに相談したら、食事や生活面でのアドバイスのほかに、
「子宮に効くヨガのポーズを毎日やりなさい」と言われました。
つまり、ヨガ界にかぎらず…
子宮に効果的なヨガのポーズが存在するのが前提となっているわけです。
もちろん、婦人科系に効果的なヨガのポーズだけでなく、
「精子の質をよくする」など男性向けの効能があるポーズもありますよ。
女性にも男性にも効果的なポーズがあるということは、万人のためにヨガがあると考えていいのではないでしょうか。
ヨガのグルは男性
「ヨガは男性向け」という誤解が発生しやすい背景の1つに、
ヨガのグル(師匠)は男性しかいない
という事実があるように思います。
本場インドのヨガのグルは、実は男性のみなのです。
なぜ男性しかグルになれないのでしょうか?
答えは、女性には生理があるからです。
ヨガのポーズの中には、生理をとめてしまうポーズがあり、男性または閉経後の女性しかできないものがあります。
そして、ヨガの高度なテクニックには、生理のある女性はおこなえないものがあるとヨガの師から伺いました。
というわけで、女性がヨガのグルになれないのは、男性より女性にヨガが向いていないからではありません。
体の機能が違うだけです。
女性は閉経後にすべてのポーズをおこなえますし、高度なテクニックにいきつかなくてもヨガの恩恵を受けとれます。
とはいえ、ヨガのグルが男性だけであることが「女性にヨガは合わない」という誤解を助長しているのかもしれませんね。
ヨガは性別や人種をとわず、わたしたちの心と体を健やかにしてくれるギフトだと思います。
ぜひ、ヨガの恩恵を受けとりましょう。