2021年「ディワーリー」はじまります!
こんにちは!
2021年も残りあとわずか。来週の11月4日(木)からは、インドのお正月ともいわれる大きなお祭り「ディワーリー」がはじまります。
「ディワーリー」とは「光の祭典」という意味で、11月4日(木)から5日間、たくさんのオイルランプをかざって、盛大にお祝いされます。
また、「悪い習慣をやめる」のに適したタイミングであるともいわれます。
今日は、その理由や「ディワーリー」で何を祝うか、についてお話しします。
日本に住んでいるわたしたちにも関係する話ですので、ぜひお読みいただけるとうれしいです!
「ディワーリー」で何を祝うのか?
インド内の場所によって、伝えられている物語が異なりますが、その中の1つでは、
ヴィシュヌ神の化身の「ラーマ」が魔王「ラーヴァナ」を倒し、アヨーディーヤ(インド北部の古都)に帰還したことを祝うものとされています。
「ラーマ」の帰還を、民衆がランプを灯して迎えたことに由来するそうです。
「ラーマ」は「正しい行い」の象徴です。
一方、魔王「ラーヴァナ」は、わたしたちの中にある「よくない性質」をあらわします。
わたしたちの中にある「よくない性質」に「よい行い」が打ち勝った日、として祝われるのが「ディワーリー」です。
わたしたちの中にある「よくない性質」とは?
魔王「ラーヴァナ」は、10個の頭をもつとされています。
「10個の頭」は、
・欲望
・怒り
・混乱
・貪欲
・プライド(傲慢)
・嫉妬
・心
・知性
・記憶
・エゴ
を意味するといわれます。
また、10個の頭は、心の中に「たくさんの人格」をもち、1人の人間として調和がとれていない象徴でもあります。
これは、わたしも含め、多くの人にあてはまるのではないかと思います。
わたしたちは、日々の生活の中で、
- 「やるべきこと」が「できない」
- 「やるべきでないこと」を「やってしまう」
ということがよくあります。
たとえば、
- 「勉強するべきだけど、眠いから今日はいっか~」
- 「禁煙中だけど、1本だけ…」
というような感じです。
自分の中でたくさんの人格がぶつかりあって、「やるべきこと」「やるべきでないこと」の足をひっぱります。
- 「やると決めたからやる!」
- 「やるべきでないから、やらない」
というように、きっぱりと「よい行い」を選択できる人はそれほど多くないでしょう。
こういった、わたしたちの中に混在する不調和な人格であり、よくない性質(欲望、怒り、嫉妬…etc.)が、「よい行い」を選択しづらい状態にしています。
ディワーリーの「光」が意味するもの
「ディワーリー」で灯すランプの火の「光」は、「愛」や「本質的な知識」の象徴です。
心の中の「よくない性質」により、「よい行い」ができなくなっているわたしたちですが、
光(「愛」「知識」)を得て、「よい行い」を選択していくためのお祭りでもあります。
インドの伝統的な価値観では、わたしたちの世界は、「地」「水」「火」「風」「空」の5つの元素からできていると考えられています。
「5大元素」について詳しくはこちらから。
この「5大元素」は、「空」→「風」→「火」→「水」→「地」の順番に生まれたといわれています。
「空」と「風」は目で見ることができません。
「火」になって「はじめて」目で確認できます。
そこから、神は最初に「火」という形でわたしたちの前にあらわれた、と考えるそうです。
「火」は常に上を向いています。上に向かって燃え上がります。
一方で「水」は下向きに流れていきます。
しかし、「火」で「水」をあたためると、やがて「水」は水蒸気となり、蒸気機関車のように大きな物体を動かすくらいの強力なエネルギーになります。
このように、わたしたちの中にある下向きでネガティブな性質も、「火」を加えることで、強いエネルギーに変容できるということをあらわします。
「ディワーリー」で何をするといいのか?
一般的にはこの期間中、家の中を掃除してランプを灯し、甘いものを食べます。
ディワーリーは「光の祭典」であると同時に「お菓子のお祭り」ともいわれるくらいなのだとか。
昨日ご紹介した「ラドゥ」もよく食べらるそうです。
「甘いもの」は「やさしさ」「愛」など「心の甘露(甘さ)」の象徴です。
愛があると、心(ハート)は甘くなります。
また、悪い習慣をやめるのに適しているタイミングでもあります。
「ディワーリー」は、「よい行い」がわたしたちの中にある「よくない性質」(=悪い習慣)を打ち破ることを祝うものなので、このタイミングで悪い習慣を手放すことがすすめられています。
「悪い習慣」は、ご自身の中で「よくないなあ~」と感じているものならなんでもOKです。
「お酒」「食べ過ぎ」「不機嫌」「怠惰」など、なんでもいいです。
自分の中で「実はやめた方がいいと思っていること」を1つとりあげて、ぜひやめる努力をしてみてください。
ささいなことでもよいと思います!
この話は、ケララ州アムリタプリの高僧スワミ・プールナ・アムリターナンダ・プリからお聞きした内容をアレンジしました。