ヨガとコンプレックス
こんにちは!今日は、ヨガをする中で刺激されるコンプレックスについて、お話ししたいと思います。
「ものをみる尺度」が、コンプレックスを刺激する
昨日は、体のかたさや体力がある、ないというのは、個性でしかないという話をしました。
とはいえ、ヨガのクラスを受けていると、外見上、うまくできている感じの人を見て、焦りを感じることもあると思います。
さらに、周りがみんな簡単に動けているのに、自分だけうまくできない…となると、劣等感さえ感じることもあるでしょう。
それは、人として、当たり前のこと。
わたしも、たくさん劣等感を感じてきました。
でも、それって、たまたま視覚に入った誰かのせいではなく、
わたしたち自身の中にある「ものの見方」がコンプレックスを刺激しているのですよね。
たとえば、わたしたちの多くは、
- 「体がかたい」
- 「体力がない」
- 「動けない」
ことを、「よくないこと」とネガティブにとらえています。
一方、
- 「体がやわらかい」
- 「体力がある」
- 「よく動ける」
方が、「いいこと」としてポジティブにとらえています。
だから、ヨガのクラスで、周りに「体がやわらかい人」「体力がある人」「よく動ける人」がいると、
そうでない自分と比較して、「自分はダメだ」「向いていない」…とネガティブに感じてしまいます。
もし、「体がかたい」「体力がない」…などのことを、ネガティブに捉える「ものの見方」がなければ、焦りや劣等感を感じることも、コンプレックスを刺激されることもないはずです。
「ずいぶんと、やわらかい人がいるもんだな~」とのんびりかまえていられるはずです。
こういうのって、「気にしなくていい」「気にする必要はない」と言われても、気にしてしまうもの。
だからこそ、自分の中の深いところにある、ものの見方(尺度)に気づき、手放していく必要があるのだと思います。
そうすれば、まわりの人がどうであろうと、気にならなくなるでしょう。
個性を受け入れる
ヨガ仲間の1人で、師であるプラブジから、いつも「ボディ・ロング(体が長い)」と引き合いに出される人がいました。
「体が長い人の場合は、こうなります」「体が長いから、彼女はこれができない」「体が長いと…」と、彼女の話をするときに、常にでてくる「体が長い」という枕ことば。
ティーチャーズトレーニングが終わる頃には、すっかり、体(胴)が長いキャラになっていました。
いつでも笑顔の彼女でしたが、
「体が長い」と、いつも言われることが、実はつらいと感じていた。
でも、プラブジは悪意があってそう仰ってるのではなくて、
ただ「個性としてそうである」という事実を指摘しているだけだと気づいた。以前から、(他のスポーツで)自分だけうまくてきないことがある、と感じていた。
そっか、わたし、人よりも体が長いから、同じようにできないんだ!と納得できた。
という話を、聞かせてくれました。
素晴らしい気づきだなあと感じます!
そう。ディスられているわけではないのですよね。
わたしたちの中には、「手足が長い」方がスマートでかっこい、「よい」とする尺度をもっている人が多いように思います。
だから、「体(胴)が長い」というのは、悪口を言われているように感じても不思議ではありません。
でも、「手足が長い」のも「胴が長い」のも、本当は、良し悪しはありません。
ただの個性です。
そして、その個性をもっていることは、事実であり、「変えられないこと」です。
「変えられない」ことは、受け入れるしかありません。
「変えられること」と「変えられないこと」
「変えられないこと」は受け入れ、「変えられること」は変えていく努力をしたい、と感じます。
たとえば、「肩がいたい」「腰がいたい」「膝がいたい」などの痛みは、その時点での「体調」に過ぎません。
体調は、常に変化しているし、多くの場合、変えていくこともできます。
もちろん、「肩がいたくなりやすい年代」「腰がいたくなりやすい骨格」など、傾向や個性でもあるけれど、改善はしていけます。
そして、既にある痛みを軽減する、痛みが起こりづらい体になるように整える…ということが、ヨガは得意です。
「変えられる」痛みやつらさは、軽減や改善ができるように、しっかり整えていきたいですね。
ちなみに、わたしは、「体が大きい」と言われることが、コンプレックスです。
「体が小さい」方が、女性としてかわいらしい、魅力的だ、という「ものの見方」をもっているのだなあと感じます。
「ものの見方」(尺度)は、わたしたちの人生の中で、長期間もってきたもので、自分の中の深いところにあるから、すぐに手放すのはむずかしいのかもしれません。
でも、何か、コンプレックスを刺激されたときに、自分の中にある「尺度」を自覚し、「変えられること」なのか、「変えられないこと」なのか、考えて行動することで、手放していきたいと思います。