ヨガと宗教
こんにちは!今日は「ヴィジャヤ・ダシャミー」という、とても吉兆な日。
何か、新しいこと、はじめましたか?!
ヨガって「宗教」なの?!
ヨガをはじめたばかりの頃、佐保田鶴治先生の本を読んだら、「ヨガは宗教だ」と断言されていて、驚いたことがあります。
実際、佐保田先生は、ご自身のヨガの道場で、宗教法人をとられていた…と思います。
なぜ「ヨガが宗教」か?それは、
- ヨガは普通の体操ではない
- 体は動かすけれど、本質は、自己の中の神性とつながること
- それはまさに宗教だ
…というような趣旨だったと思います(ニュアンスが違ってたら、すみません!)。
つまり、神とは、どこか遠くにいらっしゃる、自分とは別の存在ではなく、自分の中にも、他人の中にも、あらゆるものの中に存在するものだということです。
そこに気づいていくのが「ヨガ」。
それは、自己の本質を探求することだから、まさに「宗教」である、ということだったと記憶しています。
きっぱり「宗教だ」とおっしゃっていたのが面白くて、印象にのこっています。
とはいえ、現代で、わたしたちが使う「宗教」という言葉とは、ちょっと文脈が違うとも感じます。
佐保田先生がおっしゃっているのは、狭義ではなく、広義の意味での「宗教」という感じでしょうか。
「ヨガ」には、盲目的に従うべき「教祖さま」はいないし、「教義」もありません。
教義…といえば、「呼吸は鼻でしましょう」とか、「こういうふうに動きましょう」というのはあるけれど、
そういう「やり方」的なものは、「料理」にも「サッカー」にも、何にでもあるから、「教義」とはいえないでしょうね。
佐保田先生とお会いしたことはないですが、おそらく「教祖さま」という感じではなかったんじゃないかと思います。
もちろん、すごく偉大な先生で、尊敬されているヨガの師匠、だったとは思いますが、
盲目的に従う対象ではなかったのではないか、ということです。
ご本人の話されていた内容を読む限り、そんな印象を受けています。
現代の「宗教」は増えている
結論、「ヨガは宗教じゃないですよね??」と念をおされそうですが、わたしはそうともいえないと感じています。
カルト的な狭義の意味での「宗教」ではないといえるけれど、確かに、「ただの体操じゃない」ではないし、「自己の本質」うんぬんの話は切っても切り離せないからです。
そして、これは、ヨガに限らずですが、特定の価値観のもとに人が集まると、宗教的な要素はでてくるように思います。
たとえば、最近話題の「オンラインサロン」。
キンコン西野さんの「オンラインサロン」では、「教祖」「信者」などと、やゆされていたりしますよね。
「教祖」「信者」という呼び方はさておき、「オンラインサロン」がある意味、宗教的な役割をはたしている、というのは納得できるところがあります。
西野さんのサロンにかぎらず、主催者の価値観に共感する人があつまってサロンメンバーとなるので、ある特定の価値観をもつグループになります。
価値観を共有しているから、メンバー同士のコミュニケーションはスムーズだし、場が荒れることもない。
お互いに信頼できるから、積極的に仕事を受発注したりもします。
逆に「オンラインサロン」外の人は、価値観を共有するところからスタートしなければならず、「面倒だから敬遠する」というようなことになっていきます。
大きなサロンになると、ちょっとした経済圏ですから、ある意味、「セーフティネットワーク」にもなるのだと思います。
理由なく、献金を求められたり、教祖(主催者)への絶対的信仰を求められたりとか、そういう意味での宗教的要素は、多分、ないんじゃないかなあ…と思います。
みんな、そういうのは苦手だから、それだと人は集まらないですよね。
もちろん、「主催者のことが好き」「ファンです!」というレベル感での「信仰」は、大いにあると思います。
宗教がもつ、互助的なネットワークが機能しているのが、現代版の「宗教」なのかなあと感じています。
自分で考えることを忘れない
現代版の「宗教」ともいえる、ネットワークが悪いとは全然思いません。
世界的にもめずらしい、「無宗教」という国で生きているわたしたち。
宗教がもつ要素の中に、わたしたちが求めているものは確かにあるのだと思います。
とはいえ、もし誰かや何かを「妄信」してるのだとしたら、注意が必要ですね。
「妄信」とは、自分の頭で考えることを放棄すること。
誰が言ったことでも、自分の頭で考えて、行動を選べるだけの思考力は使いたいところです。
「考えるな、感じろ!」
そんな言葉がヨガ界隈で聞こえてくることがありますが、それは、自分の頭で考えることを放棄せよという意味ではないです。
考えるのをやめて、誰かや何かを「ただ信じる」のは、楽かもしれないけれど、後で後悔することになりかねません。
自分の人生に責任をとれるのは自分だけですから、人間として与えられた知性を活用し、幸せな人生を送りたいですね。
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