明日は「クリシュナ・ジャンマシュタミ」
こんにちは!
明日は、クリシュナ神の生誕祭「クリシュナ・ジャンマシュタミ」です。
The Indian Expressによると、生誕5250周年にあたるのだとか。
クリシュナ神といえば、インドの三大神様「ヴィシュヌ神」の化身であり、
聖典「バガヴァッドギーター」で主人公アルジュナに、真理について教えを説いたことで知られます。
だから、「クリシュナ・ジャンマシュタミ」の日には
「バガヴァッドギーター」を読んだり、詩句をチャンティングするといいようです。
今日は、「クリシュナ・ジャンマシュタミ」をご紹介しつつ…
クリシュナ神の教えである「バガヴァッドギーター」の中から「カルマ・ヨーガ」の話をしましょう。
2023年の「クリシュナ・ジャンマシュタミ」
2023年の「クリシュナ・ジャンマシュタミ」は、東京時間の9月6日(水)から9月7日(木)にかけてお祝いされます。
いつものように、こちらのサイトから引用させていただくと、
特にプージャー(お祈りの儀式)に適した時間は
9月6日(水)23:17 ~ 9月7日(木)0:02
とのこと。
明日は少し夜ふかしをして、この時間にお祈りや瞑想をするといいでしょう。
神聖な時間にお祈りや瞑想といったサーダナ(精神的な修練)をすると、
ふだんよりも効果が倍増すると言われますよ。
明日は断食も効果的。
まちがっても、上記の時間に「小腹がすいたから、夜食にラーメンを…」としないようお願いします。
さて、クリシュナ神は、聖典「バガヴァッドギーター」において
真理について教えを説かれました。
ここからは、その教えを一部ご紹介しましょう。
「カルマ・ヨーガ」とは?
クリシュナ神は、聖典「バガヴァッドギーター」の中で、
主人公アルジュナに「カルマ・ヨーガ」について教えを説きます。
「カルマ・ヨーガ」とは、直訳すると「行いのヨーガ」。
- 自分のやるべきことを、やる
- やるべきでないことを、やらない
というシンプルな選択をとおして精神的な成長をはかるという教えなのですが、わたしたちはなかなかそれができません。
いわゆる「好き嫌い」や「これがなければ(あったら)嫌だ!」などの執着により…
やるべきことから逃げたり、余計なことをやらかしたりして
人生を戦争のようにしていないでしょうか。
行動の結果はコントロールできない
「バガヴァッドギーター」の2章で、クリシュナ神が説かれた言葉を原文からご紹介しましょう。
「カルマ・ヨーガ」の定義としても知られる詩句です。
कर्मण्येवाधिकारस्ते मा फलेषु कदाचन |
मा कर्मफलहेतुर्भूर्मा ते सङ्गोऽस्त्वकर्मणि || 47 ||あなたの手の内にあるのは、行動においてのみです。
一瞬でさえも、行動の結果は手中にありません。
かといって、何も行動しないことに執着してはいけません。(拙訳)
わたしはこの美しい詩句が大好きです。
自分がコントロールできるのは「自身の行動」だけであり、
周りの反応など「行動の結果」はコントロールできないことをリマインドしてくれるからです。
あたり前だと思われるでしょうか?
しかし、クリシュナ神がわざわざ言及されるということは、わたしたちが上記を理解できていないからかもしれません。
たとえば、わたしたちは、何か「期待」をもって「行動」しますが、
期待どおりの結果がえられるとはかぎりませんね。
結果を受け入れられず、「こうじゃなきゃいけない!」「こうあるべきだ!」と考えるのは、
自分が「行動の結果をコントロールできる」と思っているからに他なりません。
行動の結果をコントロールできないと理解していれば、「なんで、こんなことに?(怒)」とはならないはず。
不満を感じるときは、「行動の結果はわたしの手の内にないのね」と思い出していただき…
怒りや悲しみが生じた状況から、より快適になるための「行動」を選んでいきましょう。
何も行動しないのはNGだと言われていますし、行動あるのみです。
成功と失敗を同じものとする
もう1つ、「カルマヨーガ」にまつわる美しい詩句をご紹介しましょう。
योगस्थ: कुरु कर्माणि सङ्गं त्यक्त्वा धनञ्जय |
सिद्ध्यसिद्ध्यो: समो भूत्वा समत्वं योग उच्यते || 48||アルジュナよ、成功にも失敗にも執着することなく、自分のやるべきことをしなさい。
成功も失敗も同じものであるという態度で行為をすることが「カルマヨーガ」と言われます。(拙訳)
わたしたちが何か行動するとき、「期待どおり」か「期待以上」の結果になると、うれしいです。
逆に、「期待はずれ」の結果になると、悲しくなったり怒ったりします。
行動の結果が何であれ、「同じ」だと捉えるなんて無理!と思われるかもしれませんが…
それは、成功や失敗といった行動の結果が、自分の存在価値に関わるものだと重要視しているからではないでしょうか。
何かの行動で「期待以上」「期待はずれ」の結果になっても、自分の価値は変わらないのに
成功や失敗といった結果を自分自身に重ねあわせて考えるから、悲しみや怒りにつながります。
行動の結果が期待以上であれ、期待はずれであれ、それを客観的に受けとめて、
また、新しく行動すればいいのだと気づいたときに、ギーターの詩句はわたしの中でイキイキと輝きだしました。
「バガヴァッドギーター」は、普遍的な教えだと言われます。
つまり、「古代」「インド人」など時代や地域を限定した話ではなく、現代のわたしたちにも「役に立つ話」なのです。
そんな普遍的な教えを説かれたクリシュナ神はすごい!という話でしめくくりましょう。
明日は、クリシュナ神に祈りをささげつつ、ギーターにもふれていただければと思います。