南インドの美しい「コーラム」
こんにちは!
南インドを旅すると、お寺や民家の前に美しくえがかれた模様をみかけることがあります。
これは、「コーラム」とよばれる模様です。
※地域により、名前がことなります。
「コーラム」は早朝にえがかれることが多く、「祈りの表現」だといわれます。
神様への感謝や、神から与えられるすべてのものを受け入れるという意味だそうです。
先日、南インドから来日されたガーヤトリー先生のコーラムWSに参加したら…
「コーラム」は祈りだけでなく、コミュニケーションツールであり、
健康にも寄与するとうかがいました。
今日は、そんな南インドの伝統「コーラム」をご紹介しましょう。
コーラムとは?
「コーラム」は、さかのぼると紀元前600年~700年頃の書物に記載があるそうです。
紀元前600年といえば…日本だと、縄文時代ですね。
そんな歴史ある「コーラム」ですが、米粉や米粉のペーストを使ってえがくことが多いとうかがいました。
どのような模様をどのようにえがくかは…
地域によって、家庭によって、バリエーションが多数なのだとか。
さて、「コーラム」は祈りの形であり、「招いていないお客様を歓迎する」という意味もあると聞きます。
「招いていないお客様」とは、そのままの意味として、誰でもおもてなしするそうですが…
人生において「予期しない出来事」を歓迎するという意味もあるそうです。
人生で予期しない出来事やできれば経験したくないこともふくめて、
「すべてを受けとる」という姿勢を示しているのでしょうね。
えがかれた美しい模様は、鳥や虫・牛などが食べたり舐めたりして消えていきます。
動物への供物として、循環していく点も興味深いポイントではないでしょうか。
コーラムはコミュニケーションツール
今回、ワークショップに参加して、コーラムが人々の「コミュニケーションツール」として機能していると知りました。
つまり、えがかれる模様によって
- お祭り
- 断食
- 日食や月食
など、行事のリマインドになったり、
各家庭で、子どもの誕生などお祝いごとがあったことがわかったりするようです。
模様によって「音階」が表現され、1つのコーラムが
音楽として共有されるケースもあるのだとか。
米粉でえがく模様のバリエーションによって、さまざまな発信ができるわけで、
なんだか、SNSのような役割も果たしてきたのかなあと感じました。
コーラムは健康にいい
「コーラム」をえがくのは、ブランマ・ムフールタという朝日がのぼる前のタイミングが多いと聞きます。
ヨガをしたり、何かを学ぶにも最適なタイミングといわれる時間帯ですね。
ところで、「コーラム」をえがく時には「しゃがむ」のではなく、
立った姿勢から軽く膝を曲げて、前屈してえがくのをご存じでしょうか。
いわばスクワットする姿勢をキープしていますから…
けっこう、キツイです。
前屈によりお腹が圧迫されて、消化器系への刺激になるだけでなく、
足腰がきたえられるなど健康面での効果が見逃せないのだとか。
さらに、手で直接「米粉」をさわって、左右対称な模様をえがくことが脳によい刺激になるそうです。
実際、インドでは障害のあるお子さんに「コーラム」をえがいてもらう取り組みがあると聞きます。
手を使って複雑な模様をえがくのは、大人の脳にとってもボケ防止になりそうですし、
やってみると、手の感触が気持ちがいいです。
まあ、まっすぐな線をひくだけでも難しいので、なかなか複雑な模様まではできないですが…
わが家でも「なんちゃってコーラム」をはじめたいところ。
これも1つのヨガの形ですね。