「ヨガをせよ!」インドでのアーユルヴェーダ治療
こんにちは!
今日は、kindle本企画(バックナンバーはこちらから)から、わたしが甲状腺の病気「バセドウ病」になり、インドで「アーユルヴェーダ」という伝承医学の治療を受けた話の続きです。
今回から、いよいよ実際にインドで受けた治療について、何回かに分けて話していきます。
現地でドクターから最初に言われたことは、「アーユルヴェーダ」の治療とあわせて、
- ヨガ
- ヨガの呼吸法
- 瞑想
をおこなうように…ということ。
実は「ヨガ」と「アーユルヴェーダ」は姉妹のような関係。
「アーユルヴェーダ」のドクターが、患者さんに「運動をした方がいいですよ」とすすめるときの、運動は「ヨガ」を指すことが一般的です。
「運動してください。たとえばバトミントンとか!」という話にはまずなりません。
ヨガは適度な運動として、そしてエネルギーを整えるという側面から「アーユルヴェーダ」的にも優れていると考えます。
わたしのように、特定の病気の治療中にヨガがすすめられることもめずらしくないのです。
今日は
- インドでの治療開始!滞在場所はこんな感じ
- 「バセドウ病」に対する「アーユルヴェーダ」医の見立て
- ヨガとの共通点も!?「アーユルヴェーダ」とは?
- 「アーユルヴェーダ」のドクターとは?
についてご紹介します。
「代替医療」での治療にご興味がある方、「ヨガとアーユルヴェーダ」の共通点を知りたい方におすすめの記事です。
Contents
インドでの治療開始!滞在場所はこんな感じ
2019年11月下旬、わたしは飛行機を乗り継いで南インドのケララ州・パイヤヌールの病院に到着しました。
小さな村の中にある療養所のような施設です。
自然豊かな環境。まわりは田園が広がっていて、大きな建物は見当たりません。
施設は、
- レセプション
- コテージ(わたしの滞在場所)
- トリートメントルーム(治療をおこなう場所)
- 食堂
- プールという名の池(昔、象を洗うときに使ったそう)
- ホール(現地の人の集会などに使う)
- 広場
- 洗濯場
- スタッフが生活する寮
があり、5分もあれば1周できるくらいの広さ。
ドクターとセラピスト(看護師のような役割)が常駐しているので、病気の治療を受けられる他、デトックス目的に訪れる人も多いのだとか。
今回、わたしはインドの「国立病院」も、街中にある「クリニック」も選択していません。
(何の話?という方は、インドの医療事情をご覧ください)
- 限られた日数しか治療にあてられない
- 一般的なインド人が食べる辛い料理が食べられない(=アレンジが必要)
- 自炊する気力がない
などの理由から、治療と生活が一気通貫で利便性の高い滞在型の療養施設を選びました。
この施設は外国人が多くおとずれるので、食べ物も柔軟に対応してくれます。
「バセドウ病」に対する「アーユルヴェーダ」医の見立て
「アーユルヴェーダ」のドクターとは、オンラインでコンサルティングを受けて以来で、初対面。
現在の体調や既往歴などを紙に記入して、診察スタートです。
ドクターがおっしゃったことは…
・「風」と「火」のエネルギーが乱れている状態
・マインドのスロータス(エネルギーが流れる通路)に「つまり」がある
・それらにはたらきかける治療をおこなう
・(動悸がすることについて)心臓に問題は何もない
・(わたしの場合)、動悸は恐怖からきている
・治療以外で、ヨガ・呼吸法・瞑想を毎日おこなうように
ということでした。
なぜヨガや呼吸法、瞑想が必要かというと、それらが特に「風のエネルギー」の乱れを整える効果があるからです。
驚いたのは、「動悸」が恐怖から生じているという話。
インドに来る前に、わたしは日本の病院で薬を拒否。
その際に、「薬を飲まないと、容態が急変して命にかかわる状態になるかもしれない」…と医師から告げられました。
受診するまで、自覚症状がほとんどなかったのは以前お話ししたとおり。
でも、この発言を受けてから、急に「動悸」がひどくなり、夜も十分に眠れなくなっていました。
現地での「アーユルヴェーダ」のドクターの見立てでは、
ホルモンバランスの乱れ
↓
感情の乱れ(不安や恐怖)
↓
動悸
という流れで動悸が発生しているだけで、「心臓の問題」ではないとのこと。
わたしの場合は特に「恐怖感」が動悸を生み出しているだけだと、丁寧に教えてくれました。
後に聞いた話では、当時のわたしの様子を見て、ドクターは「不安感が強い…」と感じたそうです。
なによりも、マインドが不安定になっていることを問題視されたのだとか。
不安感も「風のエネルギー」の乱れ。
そういう意味でもヨガ・呼吸法・瞑想法は適切なアプローチになります。
「アーユルヴェーダ」のドクターは、患者の顔色や話す様子、話の内容などもふくめて、どのような治療が必要か、計画を立てます。
「血液検査結果」だけ見て、薬を処方するということはありません。
だから、同じ「バセドウ病」でも、治療のアプローチは異なります。
説明をおこなうことで、心理的に患者を安心させることも治療の一部。
完全に「オーダーメイドの治療」といえるでしょう。
ヨガとの共通点も!「アーユルヴェーダ」とは?
「アーユルヴェーダ」とは、約5,000年前から伝わるインドの伝承医学。
あらゆる生き物や物質、宇宙のすべては地、水、火、風、空という5つの要素(5大元素)からできていると考えます。
宇宙を巨大な「マクロ・コスモス」とすると、わたしたちは最も小さな単位の「ミクロ・コスモス」。
わたしたちは、
- 「吐く息」や「排せつ」をとおして、「5大元素」のエネルギーを「マクロ・コスモス」にかえし、
- 「吸う息」や「食事」をとおして、「マクロ・コスモス」から「5大元素」のエネルギーをとりいれている
と考えます。
「マクロ・コスモス」(宇宙)と「ミクロ・コスモス」(個人)は、常に影響しあい、バランスをとっているのです。
そのバランスがくずれた状態が「病気」であり、調和をとりもどすのが「アーユルヴェーダ」の治療です。
つまり、その人本来の調和のとれたバランスをとりもどすサポートをすることが治療。
「風邪」であろうと「癌」であろうと、このエネルギーのバランスをみて、調和がとれた状態になるように治療します。
具体的には、エネルギーが流れる「通路」である「スロータス」の「つまり」をとりのぞき、エネルギーが流れる状態を作り出すのも1つの方法。
「プラブヨガ」をされている方は、この話を聞いて「あれ?どこかで聞いたことがある…?」と思われたのではないでしょうか。
そう!「ナディ・クレンジング」と理論的にほぼ同じなのです。
プラーナ(生命エネルギー)が流れる通路「ナディ」にある「つまり」をとりのぞき、プラーナの循環をよくすることで健康に導く「ナディ・クレンジング」。
アーユルヴェーダでは、「ドーシャ」「スロータス」などの用語や浄化するためのアプローチ法が異なるものの、コンセプトはとても似ています。
「アーユルヴェーダ」のドクターとは?
「アーユルヴェーダ」のドクターは、西洋医学と同様に、医師の資格が必要です。
大学で「アーユルヴェーダ」を6年間学び、資格を取得。
その後は、ジュニアドクターとしてシニアドクターをサポートする立場からキャリアをスタートするのだとか。
臨床経験をつみ、一人前のドクターになるまでには、たくさんの知識や経験が必要。
いわゆる「民間療法」を短期間学んでなんとなくやっている人…ではありません。
現代のアーユルヴェーダのドクターは、西洋医学の薬や治療法にも精通されています。
なぜなら、病気の治療に西洋医学を併用する人も少なくないからです。
日本に住んでいると、医師といえば「西洋医学の医師」のこと。
西洋医学以外にも「医学」があり、それぞれ「医者」がいると聞いても、うさんくさく感じられるかもしれません。
インドでは、「アーユルヴェーダの医師」以外にも「ユナニ医学」「シッダ医学」「ホメオパシー」などそれぞれの分野の医師がいます。
彼らは、医学知識を体系的に学び、実践を積んで人々の健康を支える存在。
西洋医学の医師と同様に、人々に頼られています。