「ヒンドゥーの神々の物語」
こんにちは!
3連休、ゆっくりできたでしょうか。
わたしは福岡アジア美術館で「ヒンドゥーの神々の物語」展をみてから、関東に帰ってきました。
貴重なコレクションも多く、すべての展示が撮影OK(SNS拡散歓迎)というおもしろい企画。
今日は、「ヒンドゥーの神々の物語」展をレポートします。
インドの神様にご興味がある方も、歴史好きな方も、ご一読いただけるとうれしいです。
インドの神様の相関図
「ヒンドゥーの神々の物語」展で、神様の相関図がキレイに整理されていたのでご紹介します。
インドで「3大神」とよばれるのが、
- ブランマー
- ヴィシュヌ
- シヴァ
の3大神様です。
ブランマー神が世界を創造し、ヴィシュヌ神が維持し、シヴァ神が破壊するという担当制。
現在のインドでは、ブランマー神はあまり人気がなくて、ヴィシュヌ派とシヴァ派にわかれると聞きます。
シヴァ神はみなさんご存じ「ヨガの神様」ですね。
神様同士の婚姻や親子関係は「ふーん」という感じですが、
点線が「化身」だったり、波線が「変身系」だったりするのがインドの神様っぽくておもしろいです。
たとえば、ヴィシュヌ神には10の化身があり、そのなかの1つが「ブッダ」、つまりお釈迦様と言われています。
余談ですが、仏教徒的にはそれがおもしろくないらしく、「ヴィシュヌの化身」説の無効をもとめてインドの裁判所で争って勝訴したという話を聞いたことがあります。
それはさておき、聖典「バガヴァッドギーター」で主人公アルジュナに教えを説いた「クリシュナ」神もヴィシュヌ神の化身。
そして、シヴァ神の伴侶であるパールヴァティー女神から変身した形が
ドゥルガーとカーリーであり、いずれも恐ろしい戦いの女神です。
主なキャラクターの相関がわかると、インドの神様の世界観に興味がわいてこないでしょうか。
インドの神様の歴史
今回の展示では、古代にさかのぼって土偶などから展示されていました。
神様の相関図で紹介した3大神などのキャラクターが像として礼拝の対象になったのは、4世紀~5世紀頃と言われているようです。
それ以前は、女性をあらわす土偶や、「ヤクシャ」といって自然界の精霊をあらわした土偶が礼拝の対象だった模様。
自然を神様ととらえるアニミズムの時代から、やがて時を経て、神様相関図でご紹介した形になっていったようですね。
インドのグプタ朝では、4世紀~6世紀にヴィシュヌ神が特に崇拝され、コインの裏にはヴィシュヌ神の奥様で豊穣の女神であるラクシュミーが描かれています。
インドでは、ギリシアの影響を受けて、紀元前5世紀頃に「コイン」の発行がはじまったのだとか。
日本の紀元前5世紀といえば、弥生時代でしょうか。
そんな時代にすでに「お金」が存在するなんて、すごいなあと感じます。
コブ牛は古代から
牛乳の話でご紹介した「インド固有のコブ牛」が、なんと紀元前2200~2000年頃の作品に描かれていました。
ツボの右側に目があって、大きなコブがありますね。
現在のコブ牛の写真はこちら↓
当時からコブ牛は、生活に欠かせない貴重な存在だったようです。
神様との関係性でいえば、シヴァ神の乗り物「ナンディ」としても知られています。
インドの神様の歴史とともに、コブ牛まで発見できて楽しい展示でした。
「ヒンドゥーの神々の物語」展は3月29日まで。
福岡近郊の方はぜひ足を運ばれてみてください。