土曜日の「オイルバス」と土星の話
こんにちは!今日は、プラブヨガのティーチャーズトレーニングの補講に行ってきました。
プラブジから伺ったオイルの話が興味深かったのでシェアしたいと思います。
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土曜日は「オイルバス」
身体に痛みがある時は、オイルを塗ると痛みを軽減することができます。
特別にマッサージをするのではなく、祈りながら塗るとよく、頭に塗るだけでも効果があるそうです。
インドでは、土曜日にオイルを塗って、洗い流す「オイルバス」をすることが多いとのこと。
「土曜日」という曜日を司るのは「土星」で、土星といえば、痛みを含め、あらゆる困難をもたらす惑星として、インドで恐れられていたりします。
土星の神様の名前は「シャニ神」。
実際、お祈りの儀式(プージャー)では、シャニ神への捧げものに黒ゴマ油を捧げたり、像に塗りこんだりします。
同様に、私たちの身体にも、祈りをこめて、ゴマ油(マスターシードオイルを追加してもよい)を擦り込んで、2~3時間くらいおいて、お風呂に入って流す「オイルバス」を行うと、物理的に痛みが軽減するという効果だけでなく、土星から受ける悪影響を緩和する処方にもなります。
一方、土星の支配を受ける時期は、困難や厳しさ、規律をもたらす一方で、私たちを内的に成長させる側面も持っていると言われます。
「オイルバス」で気持ちよくリラックスしながら、様々な困難と向き合っていきたいですね。
ちなみに、ゴマ油は、料理に使う香ばしいやつじゃなくて、太白ゴマ油を使ってください!
なぜ、土星の神様にゴマ油?
土曜日に「オイルバス」というのは納得ですが、なぜ土星を司るシャニ神にゴマ油を捧げるといいのか?よくわからなかったので、調べてみると、インドの2大叙事詩の1つである「ラーマーヤナ」の中の逸話が関係しているようです。
「ラーマーヤナ」自体は、重厚長大なお話ですが、シャニ神が出てくるあたりを要約するとこんな話です。
策略により、天体を支配していた魔王ラーヴァナに対し、シャニ神(土星の神様)は視線を向けることで唯一攻撃することができたが、逆に捕らえられてしまう。
(猿の顔をした神様である)ハヌマーンジは、拘束されていたシャニ神を救い出すものの、その時、シャニ神から視線を向けられてしまったため、ハヌマーンジにも災いが起きる時期(サディサテイ)が訪れることとなった。
ハヌマーンジは、力の強さで有名。シャニ神は惑星の法則から、間もなくハヌマーンジが困難な時期を迎えることを説明した。
その頃、ハヌマーンジは、魔王ラーヴァナに誘拐された王妃シーターを救うために、ランカ島に渡る橋を建てようとしていた。橋を建てて、シーターを救い出せるかの成否を握っているのはハヌマーンジ。
そのため彼は、「惑星の自然な法則は尊重するが、一番大切なのは橋を作ること」「自分という存在は主であるラーマの足元にあるから、私の頭の上に何が起ころうと問題ない」「橋を建て終わったら、あなたの元にいって、全てを委ねる」と申し出たが、シャニ神はそれを認めなかった。その後、魔王ラーヴァナとの戦いの過程で、ハヌマーンジは自分の頭で巨大な岩で打ち砕いた。
ハヌマーンジの頭に避難していたシャニ神は重症を負うことになり、「私はあなたを困らせることができない」とハヌマーンジに謝罪した。ハヌマーンジは、傷ついたシャニ神にゴマ油を与え、親切に接した。
シャニ神はゴマ油を使って快復した。
要は、傷ついたシャニ神(土星)を、ハヌマーンジがゴマ油で助けた、ということですね。
巨大な岩を自分の頭で打ち砕くなんて、ハヌマーンジ、強すぎ…!と話の枝葉に引っ張られるのは私だけでしょうか。
アーユルヴェーダ的にも、ゴマ油は、痛みなど風のエネルギーが上がっている状態を沈めてくれます。
シャニ神とハヌマーンジに思いを寄せながら、土曜日の「オイルバス」、やってみませんか?!