「ヒンドゥーの神々になる!」インド舞踊
こんにちは!
先日、南インドのケララ州の古典的な踊り「モヒニアッタム」を学ぶイベントに参加しました。
「モヒニアッタム」の「モヒニ」はマラヤラム語で「美しく魅惑的な女性」を指し、
「アッタム」は「踊り」を意味します。
つまり、「美しく魅惑的な女性の踊り」ということですね。
こんな踊りです↓
いかがでしょうか。
踊り子さんの表情や動きが美しいですよね。
おもしろいのは、顔の表情と手の形などで、物語を表現するところでしょうか。
先週まで池袋で開催されていた「ヒンドゥーの神々の物語」展に関連した企画だったせいか、
「ヒンドゥーの神々になる!」をテーマに、踊りを教えていただきました。
今日は、南インドの古典舞踊「モヒニアッタム」でヒンドゥーの神々になった様子をレポートします。
「モヒニアッタム」でヒンドゥーの神々になる
南インドの古典舞踊「モヒニアッタム」は、顔の表情や手の形・体の動きなどで、さまざまな対象や物語を表現します。
表情はこんな感じです↓
感情表現は、喜びや悲しみ・怒りなどだけでなく「失笑」や「平安」などもあって、バリエーション豊富です。
さて、インド舞踊と神話はもともと深い結びつきがあり、
「ヒンドゥーの神々」さえも、踊りのなかで表現するのです。
- 色男の「クリシュナ神」
- 蛇を枕にしてくつろぐ「ヴィシュヌ神」
- ヴィシュヌ神の足をマッサージする「ラクシュミー女神」
- 踊る「シヴァ神」
- 美しい「パールバディ女神」
- 象の顔をもつ「ガネーシャ神」
- 力持ちの「ハヌマーン神」
など、それぞれの神様を手の形や顔の表情などで表現します。
リズム感のないわたしには、なかなか難易度が高く、できなさ加減に笑っちゃうくらいでしたが…
表情や動きで神様さえも表現できることに感心させられました。
「モヒニアッタム」も「裸足」
先日、ヨガは裸足でおこなう理由をご紹介しましたが、
インド舞踊「モヒニアッタム」でも靴下をはくのはNGでした。
靴下をはいたまま踊ろうとす参加者にたいし、先生が「靴下をぬいで!」と注意されます。
理由は「インドの神様が靴下を嫌うから」とのことでした。
気温に関係なく、踊るときは「裸足」が基本なのだとか。
「神様が靴下を嫌う」のは、「ヨガは裸足でおこなう理由」とほぼ同様だと思われます。
「モヒニアッタム」は、もともと神につかえる巫女さんの踊りとして生まれたそうです。
踊りは神様にささげるものであり、人が楽しむのは「神様からのおさがり」であり副産物なのでしょうね。
あなたの心を惑わせるものは?!
冒頭で「モヒニアッタム」の「モヒニ」は美しく魅惑的な女性を意味するとご紹介しましたが、
実際に「モヒニ(モーヒニ)」という「魅惑的な女神様」が存在するようです。
インドの三大神様「ヴィシュヌ神」の化身であり、その美しさで周囲を惑わせるのだとか。
サンスクリット語で「モーハ」は「混乱」を意味する言葉ですが、
「モヒニ(モーヒニ)」は「モーハ」から派生した言葉のようです。
つまり、周りを惑わし混乱させるくらい美しい女神ということで…
神様を魅了するのはもちろん、悪魔さえも惑わして打ち負かしてしまうのだとか。
「はいはい、神話の世界ね?」と思われた方も、
「ご自身の心を惑わす魅惑的なもの」をぜひ想像してみてください。
「早起きしよう!」「ヨガをしよう!」「仕事しよう!」など前向きな決意を
惑わす魅惑的なものが、たくさん存在しないでしょうか?
そんなときは女神「モヒニ」のことを思い出し、
美しい踊り「モヒニアッタム」で心を癒してください。
モヒニ女神は、人を惑わせるだけでなく、その人の運命を導いてくれる存在でもあるようです。
誘惑に流されず、悪い習慣を手放していきたいですね。