2022年の「ナヴァラートリ」はじまります
こんにちは!
今年は、9月26日(月)から「ナヴァラートリ」がはじまります。
ナヴァラートリとは、「9つ」を意味する「ナヴァ」と
「夜」を意味する「ラートリ」が組み合わさった言葉。
つまり、「9日の夜」という意味です。
インドでは、9月26日(月)から9日間にわたり、盛大にお祝いされます。
一般的には、
- 最初の3日は、心を浄化させるために「ドゥルガー女神」に礼拝
- 次の3日は、富や豊かさの象徴である「ラクシュミー女神」に礼拝
- 最後の3日は、知性をつかさどる「サラスワティ女神」に礼拝
することをとおして、自分の心を成長させるためのお祭りです。
「ナヴァラートリ」の期間中は、日常生活から一歩しりぞいて…
- お祈り
- 断食
- 瞑想
- ヨガ
- 聖典を読む
などがすすめられます。
そして、9日の夜を終えた10月5日(水)は、「ヴィジャヤ・ダシャミー」とよばれ、
女神ドゥルガーが悪魔「マヒシャースラ」に打ち勝った日として知られます。
「悪魔」とは、何を意味するのでしょうか?
そして、なぜ男性の神様ではなく「女神」を9日間にわたり礼拝するのでしょうか。
今日はそのあたりを掘りさげて考えてみましょう。
10個の「悪魔」とは?!
女神ドゥルガーが打ち倒した「悪魔」は、わたしたちの心に存在します。
- 欲望
- 怒り
- 貪欲さ
- 執着
- 利己心
- 恐怖
- 嫉妬
- 怠惰
- 憎しみ
- 後悔
これら10個の要素が心のなかに存在すること自体が、悪いわけではありません。
たとえば、「執着」や「貪欲さ」があるから「がんばれる」こともあるでしょう。
しかし、いずれも度をこえると、わたしたちの人生を狂わせてしまいます。
なお、これら10個の感情にのみこまれると…
- 人として正しくない
- 皆の迷惑になる
- だから、なくすべきだ
という話ではありません。
「自分自身が、幸福でいられなくなる」ことが問題なのです。
つまり、内なる幸福のために、女神にお祈りをささげて
心を浄化する機会が「ナヴァラートリ」といえるでしょう。
日本語には「魔がさす」という言葉があるように…
10個の「悪魔」に心を支配させないためには、自分の力だけでどうにもならない場合もあるはずです。
季節の変わり目は「心」が乱れやすい
ナヴァラートリは毎年、「季節の変わり目」のタイミングでお祝いされます。
日本では、「秋分の日」をむかえ、本格的な秋に突入するタイミングですね。
年中暑いインドでも、朝晩は少し涼しくなりはじめる「季節の変わり目」といえるでしょう。
季節の変わり目は、体調をくずしやすいだけでなく、心も乱れやすいです。
たとえば、体調が悪いと心も「ほがらか」ではいられなくなります。
つまり、上でご紹介した10個の感情にのみこまれやすいタイミング。
だからこそ、お祈りや瞑想をするなど心しずかにすごすいい機会なのです。
「女神」を礼拝する意味
9日間のナヴァラートリでは、ふだん意識がむきづらい「女性性」を祝い、感謝する機会にするのもいいでしょう。
インドには、シヴァ神やヴィシュヌ神など男性の神様もたくさんいるけれど、ナヴァラートリで礼拝されるのはすべて「女神」。
なぜなら、女神ドゥルガーは、すべての力の源である「シャクティ」だと考えられているからです。
- わたしたちの心に存在する10個の悪をとりのぞき、
- 富や豊かさを与え
- さらに、知性や直感力をさずける
これらすべてを「女神」がとりおこなっていると考えると…
「女性性」のすばらしさを再認識できるのではないでしょうか。
女性は母なるやさしさや愛情の源である一方、男性よりも「容赦ない」ところがあるように感じますので…
「悪を破壊しつくす」からはじまる9日間に女神はピッタリのように思います。
パワフルで慈愛に満ちた、内なる「女性性」を意識し、お祝いしましょう。