「愛情のコップ」の話

愛情のコップ

こんにちは!
エリザベス女王が飼われていたコーギー犬の引きとり先についてニュースを見ました。

無事引きとり先がみつかって何よりですが…
わたしが驚いたのは、女王陛下がコーギーを繁殖させ、14代にもわたって飼育されていたという事実です。

愛犬の子ども・孫・孫の孫…と一緒に時をすごされたとは、とても素敵な時間だったのではないかと思います。

わが家のシロさんは、すでに去勢されていて繁殖はのぞめませんが、
愛犬の子孫となると、かわいくないわけがありません…!

シロ
わが家のアイドル・シロさん

ちょっとした表情やしぐさが、先代の愛犬を思い起こさせてくれるのではないでしょうか。

ところで、シロさんをひきとってから、わたしは気づいたことがあります。
犬が求める愛情は、個体差が大きそうだということです。

昔、実家で飼っていた柴犬のミックスよりも、洋犬のシロさんは底なしの愛情を求めるように感じます。

始終わたしの行動を目で追い、隙あらばスキンシップを求める姿は「ストーカー」のよう。
基本的にわたしはシロさんの監視下にあるのです。

一方、人間の子どもも同様に、親に求める愛情には個人差があると聞きます。
子どもが親に求める愛情の量の違いについて、「愛情のコップの大きさが違う」と表現されたりするようです。

今日は子どもが持つ「愛情のコップ」から、人間関係について考えてみましょう。

「愛情のコップ」とインナーチャイルド

愛情のコップ

人間の子どもが親に求める愛情量は、個人差が大きいと聞きます。

「おちょこ」程度の愛情量で十分な子もいる一方、
「どんぶり茶碗」をにぎりしめて大きな愛を求める子もいるのだとか。

親は子どもが必要とする愛情量を理解し、満たす必要があるそうです。

兄弟・姉妹によっても持っている「コップ」は違うでしょうし、年齢や状況によっても「コップ」の大きさが変わってくるかもしれません。

あるいは、「おちょこ」を持っているように見えて、よく見ると底なしの大きな器かもしれませんし、
大きそうなコップに見えて「上げ底」だったというパターンもあることでしょう。

つまり、ふつうに愛情深く子どもに接しても…

  • 小さなコップを持つ子だと「愛情過多」になり
  • 大きなコップを持つ子だと「愛情不足」になる

可能性があるということ。

子どもが求める愛情と親が注ぐ愛情のミスマッチが、子どもにとっての「満たされない経験」となり、「インナーチャイルド」として大人になってからの問題につながるのかもしれません。

もちろん、親も万能ではないから、子どものニーズをすべて理解して満たすなんて無理な話ではないでしょうか。

子育ては親育て…というように、親にとっても子にとっても、お互いに試行錯誤することで学びとなっていくのだと思います。

子育て以外で「相手のコップ」を満たす

相手のニーズを満たす

子どもがいない人も、日々の生活や仕事のなかで「子どもの愛情のコップを満たす」のと似た経験はできると思います。

それは、さまざまな関係性の中で「相手が求めるものを与える」経験です。

わたしたちは、とかく「自分がいいと思うもの」を人にもわたしたいと思います。
知識でもモノでも「もっとも素晴らしいもの」を人にシェアしたくなるもの。

だけど、相手が同じものを求めているとはかぎらないのです。

「わたしがいいと思うレベル」よりも初歩段階の方がわかりやすいかもしれないし、
「わたしが必要だと思う量」よりも少ない方がちょうどいいかもしれません。

相手の「コップ」の形状や大きさを確認して、必要とするものをわたす経験は得がたい学びになるのではないでしょうか。

病気が治るのも、「コップ」次第?!

感謝

一方、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」の古典書には、病人の「看護をする人」について「こういう人がいい」という条件がたくさん書かれています。

そのなかに、「患者が望んでいることを理解し、同意していれる人」という条件があるのです。

つまり、患者が求める「コップ」の形状や大きさを理解して、受けいれてくれる看護人といえるでしょうか。

望みを満たすことも大切だけれど、「こういう望みがあるんだね?」と理解し共感するだけでも、患者を力づけられるのです。

患者が前向きな気持ちをもてないと、病気はよくなりません。
だからこそ、そばにいる看護人が患者の望みを理解し、同意して励ます必要があるのでしょう。

というわけで、今日は子育ての話から病人の看護まで幅広く「相手が求めるものを理解する、提供する」大切さについて考えました。

子育て中の方は、お子さんが求める愛情のコップを観察してみてください。

動植物のお世話をされている方は、個体によって必要な「愛情」や「水」の量を考えてみるのもおもしろいかもしれません。

そして、家庭や仕事や看病などさまざまな関係性のなかで、相手が求めるものを理解し満たしていきたいですね。
もちろん、自分にとって無理のない範囲で。

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