「消化力」と健康
こんにちは!
日中は気温がぐんと上がりますね。
暑くて食欲が出ない方も多いのではないでしょうか。
インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」では、夏は体の「消化力」が落ちる季節だと考えられています。
だから、暑い季節に食欲がなくなるのは、自然なことといえるでしょう。
とはいえ、暑いからといって冷たい食べ物や飲み物ばかりとっていると「消化力」を弱めてしまいます。
冷たいものが体に入ると、消化の火「アグニ」を弱めてしまう一方だからです。
今日は、アーユルヴェーダで重要視される「消化力」と健康について考えてみましょう。
「健康な食生活なのに、健康になれない人」って誰?
アーユルヴェーダの古典書のなかには、
「健康な食事をとっても、健康になれない人」について言及があります。
どんな人が該当すると思われるでしょうか?
正解は、「高齢者と病人」です。
なぜ高齢者と病人が「健康な食事」で健康になれないかというと、「消化力」が弱いからだといわれます。
どれだけ健康的な食事をしても、消化できなければ栄養にならないからです。
つまり、消化力が弱っているときには、特別な食事療法が必要になってくるといえます。
ヨガの師であるプラブジやサティシュジが、ときどき「あなたは、食べたものが栄養になっていない」と生徒さんに指摘するのをみかけます。
指摘を受けた方は「ふつうの人と同じ健康的な食事」では消化吸収がむずかしいかもしれませんが、サティシュジの食事指導にしたがえば、やがて消化力が改善されるでしょう。
「消化力が強い」から健康
さて、アーユルヴェーダの古典書では「健康な食事をしても健康になれない人」として高齢者があげられていますが、ご高齢で元気な方もいらっしゃいます。
長寿の方へのインタビューで、健康の秘訣をたずねると…
「朝からステーキを食べること」などビックリするような回答がかえってくるのを見たことがある方もいるでしょう。
これは「朝からステーキを食べるから、健康になった」という因果関係ではなく、
「朝からステーキを食べられるほど胃腸が丈夫で消化力が強いから健康」という順番だと思います。
消化力が強ければ、どんな食べ物からでも栄養をとりいれられるので、健康でいられるのです。
結果的に病気をしりぞけ、長寿なのではないでしょうか。
メンタルの「消化力」は大丈夫?
ところで、アーユルヴェーダの「消化力」は体の消化だけを意味しません。
心の「消化力」もふくまれるのです。
- 「モヤモヤすることがある」
- 「うまく感情を消化できない」
- 「気になることがあって、眠れない」
などに心当たりがある場合は、「心の消化力」が弱まっているのかもしれません。
年をかさねると相対的に心の消化力も低下し、「頑固」といわれるようになったりします。
心のやわらかさも「消化力」が関係しているのです。
体も心も「消化力」を高めて、元気にすごしたいもの。
消化力を高める工夫は、また別の機会にお話ししましょう。