アーユルヴェーダと肥満
こんにちは!
「やせたい」「太りたい」など、体型に関するお悩みを伺うことがあります。
とはいえ、「やせている」「太っている」など体型の基準は国によってことなるもの。
日本人の多くは、インドやアメリカでは「やせている」部類に入るように思います。
ところで、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」には、人をやせさせたり太らせたりする手法があるのをご存じでしょうか。
しかし、インドと日本では「やせている」「太っている」の基準がかなりちがうので、戸惑うこともあります。
今日はインドの伝承医学「アーユルヴェーダ」と肥満について話しましょう。
「やせる」治療を受けられる人は?!
アーユルヴェーダは生活の知恵であると同時に「医療」でもあります。
だから、「やせたい」「太りたい」など個人の要望にそってくれるとはかぎりません。
わたしはアーユルヴェーダの「痩身治療」に興味があって、
以前、インドでアーユルヴェーダのドクターに「やせたい」と相談したことがあります。
しかし、ドクターからは「あなたは、やせる必要がない」と、相手にされませんでした。
いやいや…と食い下がったものの、
「やせたら、健康に悪い」と聞く耳をもってくれません。
さらに、この話には続きがあります。
わたしとドクターのやりとりを聞いていたご婦人が、「わたしも、やせたいわ」と話に入ってきたのです。
ご婦人は、日本では「メタボ」と診断されるであろう、かなりふくよかなお腹をもつ方だったのですが…
ドクターの答えは「あなたも、やせる必要はない」の一言でした。
「やせる」トリートメントは、誰もが受けられるわけではない上に、
インド人は、日本人が感じる「かなり太め」くらいを「標準」と考えているのでは…?
という疑惑がわきあがるのでした。
アーユルヴェーダの目的は「健康」
インド人のドクターが考える「肥満」の基準がどこからなのか…というのはちょっと気になりますが、
商売っ気がない姿勢は信頼できるように感じます。
「やせたい」という人をやせさせたら利益になるのに、わざわざ断っているからです。
実際、観光客相手のアーユルヴェーダのサロンでは、「やせるトリートメント」を誰にでも提供しているのを見かけます。
「相手が望むものを与える」のは、サービスとして価値があるけれど…
本来のアーユルヴェーダは、「本人の健康」を第一に考えます。
たとえ望まれても、その人の健康に反することであれば…きっぱりと断るのです。
健康な体型は「人による」
ところで、アーユルヴェーダのドクターは「健康な体型」をどのように考えるのでしょうか?
おそらく、「その人にあう、ちょうどいい体型」があって、
- それを下回ると「やせすぎ」
- 上回ると「肥満」
という診断になるのでしょう。
日本のように、一律に「腹部が〇センチ以上はメタボ」という基準ではなさそうです。
Aさんはやや太め、Bさんはやせているのがちょうどいい…など
人によって「健康的な体型」がことなるといえます。
「やせたい」「太りたい」など体型をコントロールしたいと願うのは自然なことですが…
自分にとって快適な体型で、健康にすごしたいですね。