インドのひな祭り「ボンマラ コルブ」
こんにちは!今日は、「ナヴァラトリ」のお祭りのなかでも、わたしたち日本人にとってもなじみ深い、インド版「ひな祭り」をご紹介します。
インド版「ひな祭り」!
インドのカルナータカ州やタミルナドゥ州などの一部のコミュニティでは、「ナヴァラトリ」の中で、日本の「ひな祭り」に似たお祝いをします。
ひな壇をつくって、神様の人形をかざる「ボンマラ コルブ」というお祝いです。
日本の「ひな祭り」と同様に、少女をふくむ、女性たちのためのお祭りです。
神様の人形は、専門の職人さんが手作業でつくったものを、母から娘へと大切に受け継いでいるケースもあるのだとか。
まさに、インド版「ひな祭り」!
1つ1つカラフルで、かわいい人形たちを見ていると、なんだか楽しい気分になってきますし、コレクター欲を刺激されます。
人形をかざって、女性たちが交流するという社交的な側面もあるお祝いなのだとか。
人形は、アマゾンでも販売されていて、このセットは2450ルピー(3600円)くらい。意外とお手頃ですね…!
この写真では、赤い布の上に人形がかざられていて、日本の「ひな祭り」と同じですが、白い布のケースもあるようです。
インド人の友人に聞いたところ、インド全般で祝われているわけではなく、ごく一部だけということでした。
ヨガの師であるプラブジはタミルナドゥ州のご出身。「ボンマラ コルブ」 の習慣があるそうで、お母さまが人形を飾ったひな壇の前でプージャー(お祈り)する写真を見せてくださいました。
日本の「ひな祭り」との共通点も多いこの「ボンマラ コルブ」。由来になにか関係がありそうで、ロマンを感じます。
インド版「ひな祭り」の目的は?
いろんな神様の人形がかざられててキレイ!かわいい!と盛り上がりそうな雰囲気が伝わってきますが、本来の目的はそこではないと聞きました。
様々な形をした人形の1つ1つ、つまり、すべてのものに「神」を見れるようになること、それがこの「ボンマラ コルブ」の目的です。
日本では、「やおよろずの神々」という考え方があり、「すべてのものが神様」「すべてに神をみる」ということは、わりと受け入れやすいのではないかと思います。
この「すべて」には、「自分」もふくまれます。決して「わたし以外」ではないんですね。
わたしも、家族も、同僚も、仲のよくない人も、動物も、植物も、石ころも、山も、川も「すべて」を神としてみることができるように…という目的なのだとか。
ただ「すべてのものに神を見るといいよ」と言われても、「ふーん」ですぐに忘れそうですが、たくさんのかわいらしい人形をかざったお祭りでその話を聞くと、記憶にとどまるように感じます。
女性たちが集まって過ごす楽しい一面もありつつ、人生の本質的なことに目を向けさせてくれる、素敵な機会であり、巧妙に設計されていることに感心させられます。
こうした機会を利用して、本質的なことに目を向けていきたいですね。
写真はすべて、ケララ州のアムリタプリのアシュラム(お寺)からたくさんの祝福とともに!
今回のお話は、お寺で修行をされているヴィヴェーカジよりお聞きした内容をアレンジしました。