「牛乳」に開眼する

こんにちは!
今日はハロウィン。飾りつけをしたり、イベントに参加されたりする方もいらっしゃるでしょうか。
インドでは、光の祭典「ディワーリー」がはじまりました。
(ディワーリーって何?という方はこちらから)
ここ南インドでは、ディワーリーはそれほど大きなイベントではありません。
先月、わたしが食糧難になりかけたお祭り「オーナム」の方が盛大に祝われているでしょうか。
一方で北インドでは、ディワーリーはクリスマスのように飾りつけして盛んにお祝いされるそうで…
わたしの滞在する南インドでも、北インド系の寺院はキラッキラに飾られています。

神様の像をお花でいっぱいにして、お祈りの儀式であるプージャーがおこなわれていました。
さて、神様といえば、インドでは牛は神聖な生き物と考えられているのをご存知でしょうか。
そんな牛の産物である「牛乳」は、インド中で広く愛されています。
今日はそんな牛乳について、わたしが認識を改め、開眼するにいたった話をしましょう。
Contents
牛乳にまつわるトラウマ

みなさんは「牛乳」はお好きでしょうか?
わたしは、はっきりいってキライです。
後味に臭みが残るのが何より嫌だし、今までおいしいと感じたことがありませんでした。
小学校の給食で牛乳を毎日飲まされた体験がトラウマとなり、それ以降は今にいたるまで、牛乳を買うこともそのまま飲むこともなかったです。
もちろん、ミルクティーなら飲めますが…牛乳だけで飲むのは絶対に嫌!という感じでした。
牛乳のおいしさに開眼した経緯
そんな牛乳嫌いのわたしが、インドに通うようになって、「あれ?なんかインドの牛乳はおいしいぞ?」と気づきます。
日本で飲むチャイよりも、インドで飲むチャイが圧倒的においしく感じたからです。

茶葉やスパイスを買って帰って、日本で作ってもインドの味を再現できないことから、おいしさの違いは牛乳なのかな?と漠然と考えていました。
そして今回、殺菌もされていない搾りたての牛乳を飲む機会にめぐまれて…衝撃を受けたのです。

牧場で牛乳を買う
わたしが滞在しているコチの中心地からオートリキシャ(自動三輪車)で20分くらいの場所に、牧場があります。

家族経営で、牛と水牛が飼われています。

ミルクを購入できるのは、
- 朝の7時半
- 夕方の5時
の1日2回です。
つまり、搾られてのミルクだけが売られています。
フレッシュな牛乳をその日のうちに飲みきるのが習慣化されているのでしょう。
搾られたミルクを桶からすくって…

濾して、必要な量を分けてくれます。

地元の方は容器を持って買いに来ていましたが、身一つで来たわたしはパックしてもらいました↓

牛乳500mlと水牛のミルク500mlで、100ルピー(約180円)。
内訳はうかがっていませんが、水牛ミルクの方が高価なので、牛乳は30〜40ルピーくらいだと思います。
フレッシュな牛乳のお味とは?
殺菌処理されていない、搾りたての牛乳のお味は…
甘くてサラサラしているのに深くしっかりしたコクがあります。

ミルキーな香りとあまりのおいしさに衝撃を受け、気分は夢見心地。
しばし時間を忘れてしまいました。
やがて頭がはたらくようになると、「これは何?わたしの知ってる牛乳じゃない!」と、混乱してきます。
「これが牛乳だとしたら、今までのは何?」と、わけがわからなくなるほど。
インドの牛乳のおいしさに開眼した瞬間です。
本物の牛乳はおいしい?!
頭を整理しての結論は…
たぶん、「本物の牛乳はおいしい」ということです。
牧場でのびのびと自由に動き、草を食べ、子牛を育てながら人間にもその恵みをわけてくれる…そんな農場でとれたフレッシュな牛乳は間違いなくおいしい、のだと思います。
牛の種類も、牛乳を大量生産するために改良されたホルスタインではありませんしね。
牛も水牛も一頭一頭、名前がつけられていて、家族のようです。

一方で、子牛を産んだら離ればなれにされ、自由に動く機会もなく、ホルモン剤や抗生物質づけの牧場で生産されるホルスタインの牛乳は、本来の牛乳の味ではなくなっているのではないでしょうか。
ご存知のように、日本の一般的な牛乳は後者です。
さて、この「本物の牛乳はおいしい」説をインド人の友人に話したら、そのとおりだと共感してくれました。
インドでも、最近では日本のような工業化された牛乳が出回っていて、友人いわく「化学物質と添加物がミックスされた白い液体で、偽物のミルク」とのこと。
なかなか辛辣な表現ですが、都会で流通する牛乳は、インドでも工業品になりつつあるのかもしれません。
本物は手軽に入手できる
ここまでお読みになって、「本物の牛乳は、牧場まで行かないと手に入らないのでは?」と思われる方もいらっしゃるでしょうか。
ここコチでは、入手はそれほど難しくありません。
毎朝、宅配している牧場も多いようですし、街中に早朝だけ開いている小さな売店もあります。



いずれも500mlで30ルピー(55円ほど)。
新鮮でおいしい牛乳が簡単に手に入るなんて、素敵な環境ですね。
ヨガのグルに謝りたい
牛乳の真のおいしさに目覚めたところで、ふと思い浮かんだのは、ヨガの師であるプラブジです。
プラブジは、ティーチャーズトレーニングの中で、生徒であるわたしたちに牛乳を配ってくださることがありました。

わたしは、初回こそ受け取って近所の人に横流ししましたが(先生、ごめん!)、何度もくださるので、最終的にお断りしました。
おそらくプラブジは「本物の牛乳」をご存知なので、皆に牛乳から栄養をとってほしいと思われたのでしょう。
しかし、当時のわたしは「牛乳なんて、クッソまずい上に、百害あって一利なし!」と考えていたのです。
そういえば、以前お世話になっていたヨガでも、インド人のグルが牛乳をとるように強く勧めていました。
それに対して、健康意識の高い西洋人のシニアティーチャーが「昔のインドは牛乳くらいしか栄養のあるものがなかっただけで、今はそれに倣う必要はない」と言っていましたが…
その西洋人もわたしも、本物の牛乳の偉大さを理解していなかったといえます。
牛乳は、すごいです。
ヨガのグルたちよ、ごめんなさい。
牛乳を軽んじていたことをここにお詫びし、訂正させていただきます。