潜入!インドの酒場
こんにちは!
わたしが滞在する南インドは雨季の終わりの方です。
ときおり夜中に雨がふる以外は、日中は気持ちのいい快晴。
朝と夜は涼しく、日中も窓をあければクーラーがいらないくらいですから、なかなか過ごしやすいですね。
さて、今回は最初の4日間ほど、大酒飲みの夫と一緒に旅をしました。
インドでお酒を飲むのは難易度が高いことを知ってはいましたが…
実際、なかなか難しかったです。
わたし自身はお酒を飲まないので、インドでお酒が買えたり飲めたりする場所をさがすのは今回が初体験。
インドのお酒事情を知る、おもしろい体験になったのでシェアしましょう。
インドの飲酒事情
インドでは、お酒を買ったり飲んだりできる場所はかぎられます。
日本のように、近くのコンビニやスーパーで手に入り、飲食店で気軽に注文できる環境ではありません。
インドの一般的なスーパーにお酒はおいていませんし、レストランのメニューにも存在しないのです。
では、どこでお酒を楽しめるかというと…
ホテルのバーであったり、酒屋(そんなにたくさんない)にかぎられる印象です。
つまり、自ら探し求めないかぎり、お酒に接触できない仕組みといえるでしょうか。
なぜお酒が簡単に手に入らないか、つまり、「よくない」と考えられているか?はこちらから。
悪の巣窟?!インドの街酒場
わたしたちが最初にさがしたのは、街中にある酒屋さんでした。
しかし、南インドのお祭り「オーナム」により、その日は2軒とも営業していません。
つづいて向かったのが、街中にあるバーです。
バーのドアをあけて、一歩足をふみいれたところ…
わたしは「さあ、帰ろうか!」と夫に声をかけました。
なぜなら、怪しい雰囲気が満載だったからです。
暗い店内にスモークがたかれ、酔っ払って大声をあげてさわぐ男たち。
違法な取引がおこなわれる悪の巣窟(失礼!)であるかのように、見えました。
夫もこの雰囲気に圧倒されたようで、あきらめてくれました。
いやいや、実際には庶民が楽しむ酒場で、違法性などないはずですが…
日本の居酒屋さんのような健全な雰囲気でないことは確かですね。
ホテルのバーは?
翌日に向かったのは、ホテルのバーです。
「ランチを食べながらビールが飲めるお店」として、教えてもらった場所がこちらのホテルのバーでした。
外は明るいまっ昼間なのに…
バーに入ると、めちゃくちゃ暗くてムーディ。
メニューを見るのに、スマホの懐中電灯を使わなければ読めないくらいの暗さです。
街中のバーと比較すると、明らかに客層がちがっていて、身なりのいい紳士たちが静かにお酒を飲んでいました。
夫はようやくビールにありつけて、大満足。
フードメニューが充実していたので、お酒を飲まないわたしもランチを楽しめましたよ。
男性用トイレしかない理由
街中のバーとホテルのバーで共通していたのは…
- 店内がものすごく暗いこと
- 男性しかいないこと
の2点です。
女性のわたしがバーに入ろうとして、断られはしませんが、好奇の視線が向けられます。
そして、店内には男性用のトイレしかありませんでした。
トイレが1つだけなら、わざわざ男性用にしなくてもいいと思いますが…
「gentlemen」と明記されていましたね。
バーといえば、主に男性が利用するという暗黙の了解があるのでしょう。
酒飲みの女性の旅行者さんにとって、1人でふらっと飲みにいくのは難しそうです。
飲酒は悪なのか?
さて、家族のためにお酒が手に入る場所をさがす中で、インド人がお酒についてよく思っていないことを体感できました。
どこでお酒が手に入るかをたずねると、ちょっと困ったような苦笑いをされる方が多いのです。
- 「そんなこと聞かれても…困ったなあ」
- 「外国人だから、仕方ないか…」
という困惑とあきらめが混ざったような表情をされます。
そして、年配の方にとっては「関わりたくない」とさえ思われた様子。
南インドのお祭り「オーナム」で、多くのお店がクローズし、食料や水が手に入らず困っていたわたしたちの世話をやいてくれた年配のホストマザーは、「お酒はどこで買えるか?」とたずねると態度が豹変しました。
かたい表情で「何を言ってるか、わからない」「知らない」とだけおっしゃって、口をとざされたのです。
飲酒にたいする複雑な想い
場所が変われば、価値観もちがうもの。
わたし自身は、飲酒したい人はすればいいと思いますし、一緒にいて不快感はないのですが…
- 飲酒はよくない
- 飲酒する人と関わりたくない
という価値観が存在することを、身を持って感じました。
一方で、ノンアルコールのドリンクはスーパーにもレストランにもあります。
社会的に「よくないもの」でありつつも、お酒っぽいものを楽しみたいというニーズは存在するわけです。
さらにいえば、酒屋でお酒を入手してご自宅で楽しまれているインド人もたくさんいるわけで…
相反する価値観が混在するあたりが、なんだか人間らしいですよね。
さて、大酒飲みの夫は先に帰国し、ここからわたしのインド生活がはじまります。