牛の●●で病気がなおった話
こんにちは!
今日から「仕事はじめ」の方も多いでしょうか。
今回はkindle本企画(バックナンバーはこちら)から、わたしが甲状腺の病気「バセドウ病」になり、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」で服用した「薬」を中心にお話しします。
今日の主役は「牛」です。
インドでは牛は聖なる生き物として尊重されています。
道路に牛が寝そべって、人々が立ち往生する様子などが伝えられたりしますよね。
なぜインドでは、牛が尊重されるかご存じでしょうか。
諸説ありますが、理由の1つは「牛からの恩恵」にあります。
牛乳やヨーグルトなどをもたらす牛は、インド人にとって欠かせない存在だからこそ大切にされるのだとか。
そして、牛からもたらされる5つの「産物」を調合した薬が「パンチャ・ガッヴィヤ」です。
「牛からの5つの産物」って、どんなものが想像できるでしょうか?
- 牛乳
- ヨーグルト
- ギー(生乳を煮つめて精製したもの)
これで3つです。
さて、残りの2つは…?
- 牛の糞
- 牛の尿
正解はなんと牛の「排せつ物」です。
わたしは「バセドウ病」の治療に、この牛の糞尿がふくまれた薬「パンチャ・ガッヴィヤ」を3ヶ月ほど服用し、回復にむかいました。
「牛の糞尿で病気がなおった…」なんて、バカげた話だと思われる方も多いでしょう。
しかし、牛の糞尿をふくむ「パンチャ・ガッヴィヤ」は、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」でさまざまな病気の治療に使われるわりとメジャーな薬なのです。
今日は、インドで受けた「薬物治療」の全体像をご紹介しつつ、この「パンチャ・ガッヴィヤ」について深堀りしたいと思います。
「アーユルヴェーダ」にご興味がある方も、健康や美容に関心がある方も、マニアックな世界をのぞけること確実です。
ぜひご一読いただけるとうれしいです。
アーユルヴェーダの「薬物療法」
インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」の浄化法「パンチャカルマ」が終わりに近づいたころから、薬物療法がはじまりました。
最初から薬を飲まないのは、心身の汚れがある程度とりのぞかれ、浄化が進んでからでないと「薬」を飲んでも効果がないと考えるからです。
そして、「薬物」はすべて天然の薬草などでできた自然な薬。
漢方の「生薬」や「煎じ薬」をイメージしてもらえるといいでしょう。
薬の形状は、
- 液体
- 半液体(オイル状)
- 固体(タブレット)
とさまざま。
似たような効能の薬を複数のむこともありますが、組み合わせることで相乗効果をねらう意味があります。
薬は飲みやすいものも、独特の匂いや味で「むー」となるものもありました。
さらに、
- 毎食、食前に飲む
- 夕食の後だけ飲む
- 2日に1回飲む
- 1週間に2回塗る
など、なかなか複雑な組み合わせ。
患者としての「やる気」がためされます。
帰国してから3~4ヶ月かかりましたが、なんとかすべて飲み終えました。
「パンチャ・ガッヴィヤ」を飲んでみた!
さまざまなアーユルヴェーダ薬のなかで、印象深いのが「パンチャ・ガッヴィヤ」です。
- 牛乳
- ヨーグルト
- ギー(生乳を精製したもの)
- 牛の糞
- 牛の尿
これら「牛の5つの産物」が調合された薬です。
形状は半液体。
気温が低いと固まり、あたためるとサラサラのオイル上になります。
気になる匂いは、「草っぽい」感じで排せつ物臭はありません。
牛は草食で自然な状態で育てられているので、変な臭いがないのは当然といえば当然ですね。
毎朝、小さじ1杯をあたためてから服用しました。
服用してから30分間は、白湯以外口にできなかったと記憶しています。
なぜなら、お茶を飲んだり朝食を食べたりすると、それらが混ざって効果がうすれてしまうからです。
「パンチャ・ガッヴィヤ」は、インドでの治療の後半から服用しはじめ、日本に帰ってからも3ヶ月くらい飲み続けました。
「パンチャ・ガッヴィヤ」の効果
わたしの場合、「パンチャ・ガッヴィヤ」はバセドウ病の「甲状腺機能が亢進している状態」にとても効果的だと、アーユルヴェーダのドクターから聞きました。
実際、日本に帰って3ヶ月ほど飲み続けた後の血液検査結果がこちら↓
●【治療から4ヶ月後】 2020年5月
TSH: 0.011 (H) (※基準値0.61〜4.23)
freeT4:1.33 (※基準値0.9~1.7)⇒治療前は「2.67」と基準値を上まわっていた「freeT4」の値が基準値内になりました。
TSHも2019年10月時点の「<0.005」と比べると、基準値に近づきつつあります。
もちろん「パンチャ・ガッヴィヤ」だけの効果とはいえないですが、着実に甲状腺の機能を正常に戻すサポートをしてくれたと感じています。
しかし、現地の人にこの話をしたら「甲状腺にも効くの?」と驚かれました。
なぜなら「パンチャ・ガッヴィヤ」は精力剤として使われることが多いそうなのです。
さらに、皮膚の病気「乾癬」の治療にも用いられると聞きました。
このように、同じ薬がさまざまな病気の治療にもちいられるのが「アーユルヴェーダ」のおもしろさ。
さらにいえば、同じ病名でも人によって処方される薬はまったく異なります。
「牛の排せつ物」の用途
ちなみに牛の糞や尿は、ご紹介したような「薬用」だけでなく燃料や肥料、建物につかわれるほか、お祈りの儀式にも用いられます。
アシュタンガヨガを世界にひろめたパタビジョイス師は、著書のなかで「牛の糞がしきつめられた場所でヨガをするのがいい」とおっしゃっていました。
「そんなバカな…」と思われる方のために、アマゾンで売られている牛の排せつ物をご紹介して終わりにしようと思います。
まずは、牛糞そのものから。
祈りの儀式や空気の浄化、植物への肥料として使われます。
1キロ約54円くらいから手に入るようです。
続いて、牛糞と5種類のハーブでつくられたお香です。
大気の浄化や負のエネルギーを破壊する効果もあるのだとか。
インド版「風水」にも用いられるようです。
最後は、牛の尿などがふくまれるハンドメイドの石鹸です。
「顔に輝きを与え、肌を華やかにする」効果が期待できるのだとか。
さらに、湿疹や乾癬など皮膚トラブルのある方にもおすすめだそうです。
以上、今日はインドの伝承医学「アーユルヴェーダ」の「薬物療法」についてご紹介しました。
マニアックな話でしたが、何かご興味をもっていただけることがあればうれしいです。